「うぉ、髪切ったのかぁ姫、」
「うん、」
「ショートも可愛いな」
「ありがとー!スクみたいな、ロングも憧れだけどねっ」
「うーわーおー。」
「どうしたの、ベル。」
「なーんか違うと思ったら。髪切っちゃったんだ。」
「あれ、…やっぱ似合わない?」
「いや、違くてさ、まぁその、…可愛い。」
「…え?」
「二回は言わねー。せっかく王子が褒めてやったのに。」
「なんかベルに褒められたら予想以上に嬉しい。」
「あら、姫ちゃん♪」
「ルッス〜!」
「ロングもいいけど、ショートもいけるじゃない!」
「ありがと。」
「今度、いろいろアレンジしてあげるわ♪」
「やった!」
「むむ…。姫、随分イメチェ「よ、よ、妖艶だ…」
「変態親父め、2回死ね。」
「ベル、言い過ぎじゃない?」
「こいつ変態だから大丈夫。」
「そういう問題じゃねぇぞぉ…」
「仕事しろ、カス。」
「うっわ、ボスこえー。」



あいつの髪型は、幹部にもかなり評判がよかった。

何故かしらねえが、腹が立つ。
周りにちやほやされ、嬉しそうに笑う姫を見てると、ふと、独占欲にかりたてられる時がある。
俺も随分重症だな。
あいつの心は俺にある。
わかっているつもりだが、どうすることもない。
今さらあいつと付き合う気もない。


「ボス、?」
「あ?」
「…怒ってますか、?」
「っは。そんなんじゃねえよ。…で、様は何だ。」
「…んー、用はないんですけど、「だったら来「今日も好きです。」
それだけです、
と付け加え、笑顔で去って行く姫に呆れ、ため息をつく。
しかし、それと同時に、少し口元が緩んでいる自身にも気が付いた。

重症だ。
いつの間にあいつの事をこんなに意識するようになったんだ。
自嘲の念がこみ上げる。


今夜は、強めのブランデーを飲むことにした。


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