のろのろと体起こしてキリの髪を撫でると、キリは俺の頬に柔らかいキスをくれた。


「上、乗って」
「ん……」
「支えてっから、ゆっくりでいいから」
「…………ん」


キリは俺の言葉に短く返事をして、俺の上に跨がった。
そんで俺の肩に手ぇついて、ゆっくり、ゆっくりと腰をおろしていく。


「ん、んぁ……あ、あ……」
「はい、頑張れ頑張れ」
「ふっ、ぅん、んん……」


目をきゅっと塞いで、小さく喘ぎながら俺の猛りに堪えるキリ。可愛い。やっばい。
全部入りきった所でキリは俺の首にぎゅっと抱き着いた。そんで艶めかしさ満点の浅い呼吸を繰り越す。
勿論その熱い吐息は俺の左耳直撃で、時折漏れるか細い声も俺の鼓膜に直通で。俺に良く似た俺の息子はやっぱり大興奮で。


「はぁ……、はぁ、ん……」
「……動ける?」
「んっ、ふっ、あ、あ」


しばらく浅い呼吸を繰り返したキリはゆっくり腰を動かし始めた。
まだまだぎこちない腰つき。だけど懸命に快感を追い求める様は淫らでほんとに可愛いくて。


「あ……、あ……、ぁん……」
「自分の気持ちいとこ、分かるだろ?ほら、ここ」
「ひんっ!う、ぁ、あぁん!」
「当たるように動かしてみ?中でそこ擦ってみな」
「あぁぁ……!ん、んんっ!」
「そうそう、その調子その調子」


キリのいいとこに当たるようにちょいちょい腰を突き上げてお手伝い。その度にあがる嬌声。
キリは何となく腰の使い方を掴み始めたようで、いやらしい水音といやらしい声が少しだけ大きくなった。


「あっ……、あっ、あっ、そこ、そこ……」
「うんうん」
「ふぅ、ん……、んあ、あっ、あ」


ぎゅって抱き着いて、一所懸命に腰振って。健気さすら感じるキリがひたすら可愛い。
もっと感じて欲しくて、キリの動きに合わせて腰を動かしてやれば、何だか深い部分でひとつになれる気がした。


「う、あっ、そ、そうじろっ……」
「ん……?」
「も、だめ、動いてぇ」
「うん。おぉ」
「そ、じゃ、なくてっ……、おれじゃ……、イけなっ……。そうじろぉに、して欲しっ……」
「……あ、そゆこと?」


いよいよ焦れったくなったのだろう。
キリは相変わらず左耳直通でこれまたかんわいいおねだりをしてみせた。
確かにキリが動くことってあんまりないから、思い通りに訪れない解放の兆しが待ちきれなくなったんだろう。
うん、良く頑張ったよ。よしよし。
そんな意味を込めて左側にあるキリの髪を撫でてやると、キリは甘い息をひとつ吐いた。


「よっこらしょ」
「んっ……!」
「おほっ、かーわいい」


繋がったままキリを優しく押し倒す。掛け声がジジくせぇって?いんだよ息子が元気なら。余計なお世話だバカヤロー。
そんで顔を覗き込んだ。
涙でうるうるの瞳。真っ赤に染まったふにふにのほっぺ。半開きの唇から漏れる熱い吐息と、甘い声。否応なしに可愛いだけだ。

顔を近づけて、涙の滲んだ下睫毛をそっとなぞって、額にキスを落とす。
キリは俺の両肩に手ぇついて、照れたようにまぶたを閉じた。
それと一緒に繋がっている陰部がきゅっと締め付けられて。それがすっげぇ気持ち良かった。


「じゃ、動くから。いっぱい気持ち良くなれよ」
「んっ、そぉじろ、も……」
「うん、大丈夫大丈夫。あ、後、とりあえず加減出来ねーかんな。舌噛むなよ」
「ふっ、あっ……!」


どこが大丈夫なんだとか言わないでくれよ。むしろここまで余裕ぶっこけたとか表彰モンだって。
俺ほんと、禿げ散らかしてときめ散らかして木っ端みじんになって、そんな中本当に良く頑張ったと思うよ。

一旦腰を引いて奥を突く。
聞こえた声と音にただ興奮するばかりで、後は本能のまま、宣言通りにキリを突き上げて揺さ振った。


「ひあっ!あんっ……!あっ!あっ!」
「はっ、あ、やっべ……」
「あぁん……!あっ、あっ、ああっ!」


切なげに眉ひそめたキリのよがる顔がたまらない。
それに加えて、ベッドのスプリングが軋む音。ぐちゅぐちゅと響く水音。身体がぶつかり合う弾けた音。それとキリの喘ぐ声。
網膜と鼓膜が全部を拾い上げて、頑張る息子にプレゼントしてくれた。
寝起きとは比べものになんねーくらいやる気ビンビンな息子は更に張り詰めて硬度を増す。正直なもんだね。


「あっ、あ、あっ、ひっ……!」
「ん、気持ちー。キリはどう?気持ちぃ?」
「っん……!ぅん……!きもちぃ……、んあぁっ……!ぁっ!あぁぁっ……!」
「はぁ……、可愛い……」


俺の問い掛けにキリは何度も頷いて、容赦ない俺の突き上げに顔を振り乱してただ喘いだ。

うん、気持ちいいなら良かった。やっぱ愛情いっぱいのセックスは、その分だけ気持ちくなきゃね。
だからキリの反応には満足の俺。もっと気持ちくなって欲しいから、キリの好きな所を沢山擦って、最奥を何度も何度も突き続けた。


「あああっ……!そうじろっ……!そうじろぉっ!」
「キリ……っ」
「ふあ、もっ……、イク……、イっちゃ……!」
「……ん、俺も……。一緒にイこ」
「ぅんっ……!ふぁ……!ふっ、んぅっ……!」


両肩に置かれていた手が首に回されて、近づいた顔に堪らなくなった。
衝動のまま唇を塞いで、無我夢中で舌を絡めながら腰を振る。
繋がってる部分が熱い。上も下も。柔らかくて、蕩けそうで。ただ気持ち良くて。


「んっ、んぅ……!ふ、ぁ、ふぁっ……!んぁぁぁっ……!」
「……っ……!」


口づけたまま迎えた絶頂。
触れ合った舌と唇からは、か細くて甲高い喘ぎ声。
その声が口内から直接俺の中に入り込んで、何だかとてつもない快楽を俺にもたらしてくれた。

思い切り腰を押し付けて、びゅるびゅると真っ白なもんをキリの奥に飛び散らせる。
同時にキリのそれもふたりのへそ辺りに飛び散って。


「ぁ……、ぁ、ん……」
「キリ……」
「ん……ふ、んふ……」


ビクビクと不規則に腰を痙攣させているキリ。それを抑えつけるように強く陰部を密着させた。
そして近くにあるキリの唇を再度深く奪いながら、ただぼうっと余韻に浸る。
一緒にイけたなぁ、なんて、その事を柄にもなく幸せに思いながら。


「ふ、う……、ん……」
「ん、は……」
「はぁ、あ、そうじろう……」
「ん?」
「さっきの……、ほんとう……?」
「え?」


唇離してキリを見やったら、キリは縋るような眼差しで俺を一心に見据えていた。
何となく、また少し不安を孕んだ瞳。それに疑問符を浮かべて返事をしたら、キリは視線を逸らす事なく言葉を紡いだ。


「……一生、って」
「……」
「なぁ、本当……?嘘じゃない?」
「……おまっ…………」


ずっきゅん。

すっかり弾けとんだはずの心がまたしても大きく揺れた。
愛撫の最中、余りのキリの可愛さに吐露しまくっていた本音。
てゆーか、さっきブン殴られたときもそうだったけど、キリは俺の言葉ひとつひとつをひたむきに、一所懸命に拾い上げて、心にしまってくれてるんだなって思ったらすっげぇたぎった。
何て言うかそういうの、ほんとたまんない。どこまで可愛けりゃ気が済むんだろうコイツは。


「あっ……たりめーだろー……。てゆーか、あのな、さっきも言ったけど、ほんと、何も変わんねーって」
「……」
「……あ、ちげ、変わるな。うん。俺、今よりももっとお前の事好きになってく。変わるっつったらそんくらいだ」
「そう、じろ……」
「お前が思ってる以上にな、俺お前の事可愛いくてしょーがなく思ってんだぜ。外身も中身も、全部。全部ひっくるめて、お前の事好きなんだよ。これは本当に、お前の事一生愛していたいって思ってる。嘘じゃねぇ」


キリの目を見据えて想いを紡ぐ。ちょっと甘くてクサい台詞を。
だけど伝わればいい。俺がどれだけキリを可愛く思ってて、どれだけキリを愛してんのか。ほんの少しだけでも分かってくれたら。さっきみたいに。


「……そぉじろー」
「ん?」


すると、キリは俺の名前呼んだ。
そして、瞳を閉じて、唇を閉じて。


「……っ……!」


ばっこーん。

本日2度目のキスのおねだりに本日2度目の大爆発。
ばらばらに飛び散る色んなもんをかき集めつつ、何とか平然を装って、唇にそっと触れた。
触れるだけの、可愛いキス。柔らかくって、愛おしい。

あぁーやっばい。やっぱキリ超たまんねぇー。
つーかコイツ自分の可愛さ分かってねーよな。むしろ不安になるのは俺の方だって。こんな可愛い子に悪い虫が寄らねぇはずがねぇし。
そんでコイツしっかりしてる様で蓋開けりゃまだまだすこぶる幼くて素直で可愛いだけの男の子だから、うん、俺心配だわ。
どっかに売約済みの印とか残せねぇもんかね。まったく。あぁ不安。あぁ心配。


「……へへ……」
「ん?」
「そうじろー、好き、……ありがと」
「お、おぉ……」


だけど、うん、やっぱいいや。一瞬にしてめんどくなった。
不安に思うとか心配になるとか、何か色々めんどい。

だって今コイツ、キスしたまま嬉しそうに囁いた。キスしたまま、好きって。
そんで唇離して俺の瞳を見据えると、そのままふわって笑って。
ふわって、ニコッて、惣司郎大好きって、ほんと、ただ嬉しそうに、幸せそうに。





Good-bye,Mr.Fear





あぁもう、ちくしょう。可愛い。可愛い過ぎる。可愛い過ぎるからとりあえず第2ラウンド開始していいかな?
あ?何?ムード?空気?うるせぇうるせぇバカヤロー。
大体こんな可愛い事されて息子が元気にならねぇ訳ねぇだろが。
誰に何と言われようが俺は今日コイツを存分に甘やかして、目一杯愛でまくってやる。
折角不安も何もなくなったんだ。だから後はひたすらラブラブするってのがセオリーだろ。何てったってメイクラブなんだからな。うん。
だからとりあえず今からまた愛を育みますんで。頼むからぜってー邪魔すんじゃねーぞMr.Fear。バカヤロー。





fin





やっちまった(^p^)
某田名部君から全裸待機頂いたので書いてしまった(^p^)
うん、すっげー楽しかったよ(爆発)

某バンドのGood-morning Mr.Fearっていう歌詞がめっちゃ好きで、ちょいと拝借。
ほんとはドロッドロの歌なんだけどね!(爆発)

デレキリたんちょー楽しい。うーんたまらん。





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