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優しさは怖いもの
2012/07/27 01:34


二週間ほど前に梅雨明けもして、先週には終業式を終えて夏休みになった
連日30℃を軽く超え、うだるような暑さに眼球なんかアイスの実みたいにどろどろになるんじゃないか
箱の中で甘くべたつく匂いを強くして溶けはじめているアイスを一つつまんだ
三年は進路調査と面談で今日が登校日で、といっても各クラス二日に分けて指定の時間に蒸し暑い教室で担任と睨めっこするだけなので、クラスメイトと全員顔を見合わせるわけではない
先ほど面談を終えてまだ10時半のオレは午後の部活までの時間を、勉強するでもなく、自主練にあてるでもなく、たまたま居合わせたチームメイトとアイスを食べていたのである
「やっぱりパピコにしたったらよかったなぁ」
べたつく指を舐めて言った
「あの白いサワーのやつ」
「あれええなぁ」
「だいたいガリガリ君置いてへんってのがいっちゃんありえへん」
「昔子ども会とかでまとめ買いとかしいひんかった?」
「あー、あったかも」
「でもアイスの実もうまいなぁ、溶けるけど」
「はよせなもっと溶けんで」
日陰にいてもやはりどうしようもなく暑い
細くて長い日に焼けた手がつまみあげたアイスは、行く先を間違えて、なぜかオレの口元にあった
彼、謙也はニヤニヤと笑っている
「何笑ってんの」
「はよせな溶けんで」
指の熱で表面は溶けててらてらひかり、指を伝った跡がよく見えた
「あほやろ」
指ごとくわえたアイスは少し塩っぱかった



沸いてる
違う、こんな話じゃなかった
タイトル関係無くなっちゃってるし健二郎じゃなくていいじゃん、何これ
本当は健二郎って優しいから怖いってなる謙也くんて人のこと言えないよねって話にしたかったの
でも暗くなるし長くなるからと軌道修正したら修正でなく誤爆した
またいつかリベンジしたい、覚えてたら


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