デート

今日は閻魔様と三途の川でデート。
久しぶりのデートのために新しい服を用意していくけど、閻魔様はまったく気づいてくれていない。

せっかく閻魔様の服の色に合わせてきたんだけどな・・・。

ちょっとがっかりだけど、閻魔様が忙しい中自分のために時間を割いてくれたというだけでも感謝しなくちゃ。
なんて自分に言い聞かせて私は閻魔様の隣を歩いた。

しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、閻魔様はお仕事に戻らないといけない。

「今日はわざわざ時間を割いてくれてありがとうございました。」

帰る途中、閻魔様の服の裾を引っ張りそう伝えると、閻魔様はうれしそうに笑った。

「こちらこそ、ありがとう。」

「え・・・?」

「だって、その服・・・今日のために用意してくれたんでしょ?」

そう言うと猫を可愛がるように私の頭を優しく撫でる。

「すごく良く似合ってる。」

「気づいていたなら、さっさと言ってくださいよ。」

恥ずかしくって可愛くないことを口走ってしまう。
閻魔様は、私が照れている事をわかってるからうれしそう。

「また、デートしようね。そのときは俺もお洒落してくるから。」

「ふふっ、楽しみにしています。」

ふと、誰かの気配に気づいて目をやると閻魔様を仕事に連れ戻すために鬼男君がやってきてる。
さびしいけど、ここでさよならだ。
それに気づかない閻魔様は私を抱きしめてくれた。

「お仕事がんばってください。」

「うん。」

いつまでも閻魔様が私を抱きしめているから、鬼男君が遠くで怒っている。
このままだと、私まで鬼男君に怒られてしまう。

「閻魔様、そろそろ行かないと・・・鬼男君が来てますよ。」

「ありゃ、もうそんな時間か。それじゃ、行くね。」

名残惜しそうに私の額にキスを落とすと、閻魔様はお仕事に戻っていた。
















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デート/閻魔
fin
2010.01.17〜2010.02.27

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