お菓子と同等の甘いもの 「トリック or トリート!」 職員室に響くなまえの声。 職員たちの手がとまり、とある場所に視線をうつす。 「しーっ!しーっ!!」 いきなり視線を受けた閻魔は慌ててなまえに静かにするように促す。 そんな閻魔にお構いなしになまえは続ける。 「はーやーくー、おーかーしー!!」 それとも悪戯がお好きですか?なんて艶っぽく言うものだからますます周囲の視線に刺が増す。 「あのね…、何度も言うけどオレはお菓子なんて持ってないの。」 「んー、私は職員室の茶菓子でも構いませんよ。」 悪気もなくしれっと答えるなまえに閻魔は肩をうなだれる。 「最近この子誰かに似てきたな…。」 「はい?何言ってんですか?」 「いやいや…。」 「わけのわからない事言ってないで早くよこしてください。」 となまえが閻魔を急かせば、閻魔は渋々立ち上がる。 「じゃあ着いてきて。」 といって職員室を後にした。 その後ろ姿を追うようになまえも歩き出す。 廊下に出て更に人気のない倉庫までやってきて、閻魔はようやく足をとめた。 「せんせ?」 無防備に首を傾げるなまえに近づけば、不思議そうに閻魔を見つめるなまえ。 「あまーいお菓子を君にプレゼント。」 閻魔はそう言うとなまえの顎に右手を添えて触れるだけのキスをした。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ お菓子と同等の甘いもの/閻魔(学パロ) fin 2011.10.31 |