一日の始まり 朝食の出来上がる音がする。 夢と現実の間にいる私は、目を瞑ったまま寝返りをうった。 朝食の準備はいつも、君。 「おはよう」 暫く惰眠をむさぼっていると妹子が迎えに来てくれた。 妹子はふとんから唯一でている私の頭を撫でてくれる。 「ん、おはよう妹子。」 眠い目をこすっていると、それを見かねた妹子が手を伸ばして私をベッドから引き上げた。 力強い妹子の手。 「ありがとう。」 「どういたしまして。」 ひんやりと冷たい床の温度が私の足から伝わり、私を覚醒へと導いてくれた。 私は妹子の手を握り返す。 「今日もいいにおいだね。」 「コーヒーの匂いだよ。」 「だって、妹子の煎れてくれるコーヒー好きだもん。」 妹子は何も応えなかったけど、嬉しそうに微笑んだ。 幸せすぎて心地よい、私たちの朝。 今日も一日が始まる。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 一日の始まり/妹子 fin 2010.11.26 (2010.11.26〜2011.03.06) |