Trick or Treat ! 1

お菓子をくれないと悪戯しちゃうよ。


















10月31日、そう、今日はハロウィン。
日本では特に大きなイベントにはなっていない、それは我が日和学園も同じで。
でもでも、折角のイベントなんだから何かしたい!
そう言い出したのは今年見事にミス日和に輝いた1年のなまえだった。

「今更、全校ではできない事はわかってます。だったら…せめて生徒会だけでも何かしましょうよ。」

その目は何か訴えるものがある。たぶん、イベントが好きなのだ。

「イベントが好きなんていかにも女の子らしいなぁ。」

と2つ先輩である閻魔は笑った。

「確かにこんなに楽しそうなイベントをスルーするなんて、生徒会らしくないな!」

同じく2つ上の太子もなまえに賛同して力強く頷いた。

「大人って事は先生にお菓子を貰いにいくんですか?」

同い年の妹子が口を挟む。
隣にいる同じく1年の曽良はくだらないといった冷たい目でなまえを見ている。

「そう、私たちがお化けの恰好をして職員室に殴り込みをするの。」

そう言うなまえは大変楽しそうだ。

「殴り込みって…、でもお化けの恰好なんて用意してないじゃないか。」

一つ年上の鬼男は半ば呆れたように笑う。

「うぅ…。」

肝心な事を忘れていたなまえはしょんぼりした様子で椅子に小さく座り直した。

「だったら、全員でセーラー…」

閻魔は嬉しそうに挙手をしたが、後輩達の痛い視線により静かにその手を戻した。
そんな様子を見ていた提案者であるなまえは、ここまでか…と小さく溜息をついた。
すると、太子がニヤリとわらい立ち上がった。

「段幕のカーテンを羽織れば魔法使いっぽく見えるんじゃないか?」

こうして生徒会は放課後に職員室に殴り込み…ではなく、お菓子を貰いに行くことになったのである。







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