ありきたりな質問 「ねぇ、妹子は私のどこが好きになったの?」 休日の午後、なまえは突然聞いて来た。 しかも 「30字以内に答えてね。あと、全部好きとかぬかしやがったらただじゃすまないから。」 なんて恐ろしい台詞を天使のような笑顔で述べた。 ていうか、全部好きって言われる自信があるのか。 僕はゆっくりなまえから目線を外し1m位先を見つめた。 「えー、どこが…ね。」 顔? 容姿? 性格? 相性?? ありきたりな言葉が頭を支配する。 でも、何か違う。 なんでだろう? 僕が頭を抱えるように悩むと、なまえは不機嫌そうに唇を尖らせている。 あ、その顔可愛い。 思わず笑ってしまった。 するとなまえは立ち上がり僕を見下ろした。 「んもう!妹子は私のこと馬鹿にしてるの?」 僕の頭を軽くチョップする姿はまるでこどものようで。 ああ、そうか。 「いて、いてて…ちょっ、真面目に答えるからやめ…」 なまえは僕が口を開いた途端に、大人しく僕の目の前に座り直した。 その瞳は期待に溢れている。 なんだか恥ずかしいな。 「えっと、僕は、何気ない幸せな毎日を作り出してくれるなまえが好き、です。」 あー、もう。絶対に今顔が真っ赤だよ。 恥ずかしくて、なまえから目線を反らすために顔を伏せると、なまえは僕の頬を両手で挟み無理矢理目線を合わせた。 その顔は嬉しそうに緩みきってしまっている。 「ありがとう、妹子。」 そういうと、僕の額にチュッと音を立ててキスをした。 なんとなく、くすぐったくて僕は笑ってしまった。 なまえも僕を見て笑う。 幸せそうに笑うなまえを僕は抱きしめて、耳元でそっと囁いた。 なまえの存在全てが僕の幸せだよ。 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 妹子/ありきたりな質問 fin 2009.10.26 |