140文字で書くお題ったー
自作萌え余裕なファブによる〜ソルジェラ夢だという認識さえあれば短かろうとなんだろうと萌えられるんじゃあないかという疑問から一ヶ月(31日)お題のお世話になってやってみようず!〜な試み
※上記のお題ったーさんに一ヶ月通いつめて"ソルジェラ"と入力→書く
※名前変換、スペース、括弧等は文字数に含めないで140字以内
※起承転結を詰め込むわけではない。シーン抜粋とか
※ソルベ、ジェラート、それぞれ単体も含む
一日目:頬に爪を立てる
爪が柔く立てられたそこからあと少しばかり上にずれれば眼球で、さらに私へと馬乗りになりながらも感情の起伏を一切見せない様に私は身震いした。ソルベの指先は冷たく、また落ちてくるその眼差しまでも冷え冷えと感じる。震えているのは私の唇で、薄らと開いた彼の唇は明瞭な発音で「何故」と呟いた。
二日目:憎ませてもくれない
憎めない奴なんているわけねぇだろ。人は誰しも憎悪の対象に成り得る。目に入れても痛くない。そう言えるナマエにだってテーブルの上に置いていた煙草を箱ごと床に落とされ挙句踏まれ駄目にされたらなんとやらだ。
「あァ、だからナマエは潰れた煙草を復元しようとしてたのか。べそかいて」
「……憎めねぇ」
「だよねぇ」
三日目:嫌味なくらい、できたやつ
不格好に傾いたショートケーキから隣の何処のパティシエが作ったんだと言いたくなるオペラ――チョコレートケーキの王様――へと視線を移したナマエは悔しそうに唇を引き結んだ。それを横目に唇を吊り上げてにやにやと笑むのはジェラート。
「ま、どんなのでもナマエが作ったという事実があれば喜ばしいもんさ」
四日目:全部全部、君のせい。
「話をしよう。あれは今から――そう、数分足らずのことだ。リーダーに任務結果の報告しに行って帰ってきたら私のとっておきのドルチェ達がいなくなっていた。全て、全てだ。何一つ欠片も残さず消滅した。どういうことだ」
「気のせいじゃないの」
「いや君のせいだよジェラート。せめてその手のケーキを隠して言え」
五日目:忘れられた指輪
ぼんやりと室内を照らす電灯に翳してみても、私の薬指で輝くものは決して無い。茶化すような声と表向き淡白な声。その二つの声で約束された指輪はもう手に入ることはないのだ。私の唇から二人の名が耳に痛い静寂の中に零れ落ちた。
六日目:幸せにはできないけれど
きっとオレらじゃあんたを幸福へと導くことは出来ないけれど、笑みの一つも浮かべられない日常を取っ払ってやることは出来る。だからあんたが腕を伸ばす前にオレらが攫ってみせるさ。
七日目:寂しいなんて言えない
ソルベとジェラートの二人は踏み出した脚のままに動きを止めた。互いに顔を見合わせてから同じ様に振り返る。その視線の先には俯いたままに唇を引き結ぶナマエの姿。右手でジェラートの衣服を、そして左手でソルベの衣服を掴みだんまりをきめこむ彼女に彼等は込み上げる愛しさのまま同様に唇を結んだ。
八日目:嘘の質量
「ソルベとジェラートなんて大ッ嫌い。目に入れるなんて以ての外だし、全然ひとっつも可愛くない。この間の何処ぞの阿婆擦れ――聖女みたいな標的に色目使われてた時だって一寸もどうってことなかったから!」
「……ァあ!もう三月終わったっけ?愛が重いねぇ」
「……心臓に悪ぃ」
九日目:二人だけの王様ゲーム
「あ、オレが王様だね。じゃァ、ナマエ脱いで?」
「私は参加してません」
十日目:どんな言葉よりも
音を生み出さない彼女の唇が鼓膜を震わせる愛を囁くことはなかった。ただ重ね合わせたそこから伝わる熱に彼女の存在を感じれば感じるほどに脳は痺れまた溶けるようだ。有りと有らゆる言葉を掻き集めてもこの感情を表現出来ないのだから、自身のそれも愛を囁くことなくただ彼女を奪うだけに耽った。
十一日目:大人しく降参して
「可ッ愛い!ねぇそのまま涙目で一心不乱に逃げ惑ってよ(大人しく降参したら?)」
「ジェラート、本音と建前が逆になってるぞ」
十二日目:好きなのにね
ナマエを視界に入れるだけで身体は強張りまた喉は水分を無くしたように言葉を張り付かせる。ちらりとでもあの目がこちらを向けば自身の視線は瞬時に逸らしたくなるし実際逸らしちまう。名前を呼ばれるなんて以ての外だ、眉が寄る。距離を詰めるな、動かない体じゃ逃げられねぇ。
「ソルベ大丈夫?」
「思春期中だよ」
十三日目:なんだって知ってた
物心付いた時からずっと隣にいた腐れ縁の所謂幼馴染でそれ故に色々とまァ互いに知ってたわけだけど、いやはやまさかオレのことが好きだったとは。……待てよ、知ってたつもりで知らなかったっつーことは、知られてたつもりのことが実は知られてなかったということか?
「オレナマエのこと好きだけど」
「!」
ほらな。
十四日目:善意の裏返し
「ソルベとジェラートって利己主義よねえ」
「行き成りだなァ」
「自分だけ、っていうか互いだけ!って感じだけど」
「物事ってのはあらゆる方向から見てみるもんだぜナマエ?」
「つまり?」
「逆の観点っつーことだな」
「エゴイズムの裏返しはなんでしょうかァ」
「えー……」
「時間切れ、答えは善意!」
「ないわ!」
「言い切ったな」
十五日目:同属嫌悪
「もうやだッ!メローネったら私の服また持ってった!直ぐに洗濯機に放り込むんだったわ……たった数分目を離したもんだからもうやられた!これ見よがしに私の前で顔埋めやがって……次に会ったらあの頬殴り抜けてやるわ!」
「あァ、うん、わかったからその手に持ってるオレとソルベの服返してくれる?」
十六日目:共犯者の笑み
にんまりと吊り上がる唇の悪戯な笑みとそのギラギラとした眼差しが何処の誰かに似てきたなと思いながら、珍しく標的になるであろうその誰かへと同情にも似た思いを馳せる。しかしながら俺自身の唇もまた僅かに吊り上がっているのを隠せなかった。
十七日目:おいていかないで
「やだやだソルベおいてかないで!ナマエもいくの!おいてっちゃやだぁあ!」
「……」
「ダメだよソルベ、そんな目で見ても」
「うわぁああん!じぇらぁとのばかあ!きらい!だいっきらぃい!」
「うッ!酷いダメージを受けた……オレ、任務行けないかも……」
「駄目だろジェラート、そうは言っても」
「やだぁあ!!」
十八日目:いつもの癖
薄く隙間を開けて下唇へと自身の人差し指を添えて物思いに耽るのはナマエの癖である。当たり前のようにそうした彼女を目前にしたソルベとジェラートは互いに反対方向へと視線どころか顔を背けるようにした。――情欲を煽るのは止めてくれと。
十九日目:時間稼ぎ
天を指すように立てられたジェラートの人差し指はその腹をナマエへと見せながら左右へとゆっくりと揺れる。それに釣られて動きを止めた彼女へと向けて笑んだジェラートの唇はぺらぺらと途方も無い話を吐き始めた。ソルベが辿り着くまで凡そ五分。イケるだろうと彼は内心頷いた。
二十日目:きっとたぶん
「きっとたぶん、オレらあんたのことを愛してんだろうねぇ」
うんうんと頷いてみせたオレにソルベも染み染み感じるかのように首を縦に振って肯定の意を表した。オレとソルベの間に挟まれたナマエだけが首を横に振る。それはオレらを交互に見るためにだ。成る程、今の今まで気づかなかったらしい。
二十一日目:残された時間
まるで子守唄を歌うかのように穏やかで緩やかに零された彼女自身の余命にソルベとジェラートは息を呑んだ。顔を強張らせる彼らの分も補うように頬を緩ませて笑むナマエは二人の手を取って言う。
「幸福の内に生を終えるのならば、私の一生もまた幸福であったのよ。ソルベとジェラートのお陰ね」
二十二日目:約束破り
痛くなるほどに奥歯を噛み締め声に鳴らない悲鳴を上げたナマエは縋り付くようにして後部席から助手席のソルベの首へと腕を回した。きつく絞まるそれに抗議を上げたいが同情も寄せているので口を噤むままにソルベは運転手――ジェラートへと視線を向けた。車は彼の口笛と共にドリフトした。とんだ嘘付きだ。
二十三日目:そうだったっけ、覚えてないや
「……安全運転って!安全、……運転って!」
にやにやと笑むその顔へと鋭い目つきの視線と共に悪態をついても効果はないし、寧ろ惚ける始末。だから!ドライバーは!ソルベが良いって!言ったのに!
二十四日目:寄るな、色男
「まずはプロシュート、あんたはナマエの半径3m以内に近づかないこと。つーか会話も目を合わせるのも許さない!そこリーダァー書類を手渡さない!」
「無茶言うな」
「ジェラートちゃんったら元気ねぇ」
「まさかジェラートがシスコンだとはなあ」
「姉弟、……どんぶり?」
「うわっ、ソルベの目がカッてなったのを目撃しちゃった……」
二十五日目:結婚しちゃおっか
「あのさァナマエ?結婚しちゃおっか」
「!?」
二十六日目:重なった偶然
その日ナマエがバールでソルベと出会ったことも偶然で、また街角にてジェラートとぶつかったのも偶然である。暗殺チームにて三人が顔を合わせたのも偶然でいてまた恋人関係になったのも偶然であるのなら、誇りを踏み躙られるその死も偶然だったのだろうか。必然であったとしても救いは無いが。
二十七日目:たった二人の世界
「勿論二人の世界は互いだけで完結していることは百も承知ですともさ!それでもそのぴったりと密着した身体同士の、えーと……横っ腹?そう横っ腹部分に頭を突っ込みたかったわけですよ!はい!」
「正直なのは嫌いじゃァないけどナマエのそれはどうにかなんないかなァ……」
「まずは鳩尾を殴ったことを謝れよ……」
二十八日目:自分のモノには名前を書きましょう。
「いやだからさ、オレの名前が書いてるじゃん?だったらオレのなわけで、それをオレがどうしようがこうしようが勿論胃に収めようが自由気侭だろ?ほら、なんの問題もひとっつもないじゃァないか。解散解散」
「人のモノに自分の名前を書くんじゃありません!開き直り方に吃驚したわ!」
二十九日目:惚れ直した?
何の疑問もないままに口にした様なソルベの私への言葉にびくりと肩を震わせ動きを止めてしまった。熱くなる私の頬を指で突っつくジェラートが何時もの悪戯な笑みを向けてくる。
「ソルベに惚れ直した?」
「直すも何もまだ惚れてませんッ!」
「成る程。まだ、ねぇ?」
私は手で顔を覆って俯いた。
三十日目:自分だけ知ってればいい
例えば邪魔がいない時の希少なソルベの甘えだとか、茶化すことなく囁かれるジェラートの愛だとか。ソルベの不器用でも優しい指先や、ジェラートの余裕に吊り上げられた唇の荒々しさとか。淡白な声色の奥に隠された熱情や、調子付く口ぶりに浮いた熱だとか。知られたくないし、知らせて欲しくない。
三十一日目:照れ隠しの仕草
「ん?ソルベは煙草のフィルターを噛み潰して、さらに隠すように煙草を指で挟み直すの!可愛いよねー」
「あぁ、ジェラートは言葉に詰まって前髪を掻き乱すな。……可愛い」
「うん、ナマエは右手で口元を隠して目を逸らす。それが可愛くてさァ……」
「……お前等お幸せに!」
結論:余裕で萌えた
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