俺はふと、隣を歩いているルーシィに気になってたことを聞いてみることにした。

「なぁ…。」
「なぁに?」
「ホントにロキとは何でもなかったわけ?」
「?うん。」
「…ふーん。」
「なに?」
「いや、それにしては仲良すぎっつーか…。恋人風味かもし出しすぎっつーか…。」
「あー!それはね。ロキがそうしようって言ったの。」
「は?どーゆー意味?」

ルーシィの言葉に俺は眉間に皺を寄せた。

「あたし、ロキと契約してからいろんなこと話したの。すごく仲良くなったし、正直ロキは一番近くに居て頼りになる存在よ。それでね、グレイのことも相談してたの。」
「へ、へぇ…」

なんか、嫌な予感がする。

「そしたら、ロキが…」



『僕が思うにさ、グレイはたぶんルーシィのこと好きなんだよね。』
『え、ええーーー?!』
『あ、言っちゃった。ま、いっか♪』
『よ、良くないわよ!!なに言ってんのよ!!ってか、そんなわけないし!』
『…はは、ま。ルーシィが信じる信じないは別にして、グレイみたいなタイプはやきもきさせるのが一番だよ。』
『や、やきもき?』
『ああ♪僕と毎日一緒に居て、仲良くしてるとこ見せ付ければ多分すぐに何かしらアクション起こされると思う。』
『そ、そんなうまくいくかしら。逆に、あたしとロキが付き合ってるんだって誤解されない?』
『大丈夫だって♪ていうか、誤解させればいーんだよ。ルーシィが僕のことを好きだって勘違いして、それで簡単にルーシィのこと諦めるような男に君のことは渡せないからね。』
『……ロキっ…///』
『それに、もしそのまま誤解してだめになったら僕と付き合えばいいんだしさ♪』
『なっ!!何言ってんのよバカ!』
『え?本気だったんだけど。』



「…ってわけなの。だから、ロキとは別になんでもなかったのよ。」

笑顔でそう言うルーシィに俺は顔を真っ赤に染めてため息をついた。

「え?どうしたのグレイ…」
「…………あの野郎…///」

ちっと舌打ちをしてへなへなとその場にしゃがみこむ俺。

最初っからあいつにはお見通しだたってことか。

ほんっとに食えねーやつ。

全部あいつの思い通りになったみたいでマジで悔しいけど、まぁ、あいつの作戦にはまったおかげでルーシィとこうしてられんだし今回ばかりはあのクソ獅子に感謝しとくか。

「ルーシィ。」
「ん―?」

チュッ

「………!!!!!」
「……助けた礼っつーことで。」

軽く触れるだけのキスをすれば、真っ赤になるルーシィ。

―やっぱりいちいち可愛いです―


翌日。

「ルーシィ!!!」
「きゃぁ!!」
「あ?!ロキ!おい!!勝手に抱きつくな!!」

俺とルーシィがうまくいったのにも関わらず、ロキの野郎はルーシィと一緒に居る。

おかげで俺は二人になれる時間がまったくない。

だからロキの腕を引っ張りルーシィからべりっと剥がした。それからぼそっと耳打ちする。

「おいお前、随分と有難い作戦立ててくれたじゃねーか。」
「ああ、ルーシィに聞いたって?ははは、ホントにひっかるとは思わなかったよ。さすがにそこまで単純じゃないと思ったんだけどやっぱり単純だったんだね♪」

さわやかーに笑いながらそう言うロキ。

こ、こいつ。

殴りてぇ!!!!!!怒

「まぁ、でもうまくいったみたいで良かったよ。」
「……ロキ。」
「あ、ルーシィの為に、だけどね。グレイのことはほんと全然どうでもいいんだけど、全然ね。」
「…って、おい!」

ちょっとじーんとしちまったじゃねえか!

「いっそのこと振られてしまえって思ってたよ♪ていうか、途中でルーシィの目が覚めてやっぱり振られると思ってたからさ♪いやー、良かった良かった★」
「………。」

こいつの嫌なとこは爽やかな顔して鬼みたいなこと言うとこだよな。

「ルーシィのこと、泣かしたら僕がグレイのこと殺すからね?」
「………。」

爽やかに言うな。背後にものすごく黒いオーラを感じるから。ていうか、背後にもう既に殺気とかいてあるから。

「…泣かさねーよ。ちゃんと大事にするっつの。」
「……なら、いいんだ。」

俺がそう言うと、ロキはふっと笑みをこぼして答える。

あー、こいつにはマジでかなわねぇ。こりゃぁ、しっかり捕まえとかないといつかマジでかっさらわれちまうかもしれないな。

「グレイー、ロキー、仕事行くって!」
「はーいルーシィ♪」
「…おう。」

ルーシィに呼ばれて俺とロキは返事をしてから顔を見合わせた。

ヤツの目は、なぜか勝ち誇っている。

ちくしょー!!

ぜってーに、お前より俺のほうが大事だって、ルーシィの口から聞かせてやるからな!!!

まーでもそんなお前にも感謝してるぜ。








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