Clap



「なーんだかなあ。」
「…ん?なに読んでるのルーシィ。」

ソファーで真剣に読んでいた本に唸りだしたルーシィ。横から彼女が読んでいる本を盗み見るとそれは子供が読むような絵本だった。

「なんか、大人になってから読んでみるとたいしたことないのね。つっこみどころ満載だわ、夢がなくなってやーね、大人って。」
「大人って言うほど大人じゃあない気がするけど…」
「なによ。」

ジロッとするどく睨まれ、レオは苦笑いする。退屈そうな、納得のいかないような表情のレオにとってのお姫様に、レオはへにょんと笑いキラキラとしたオーラで「じゃあ僕に任せて。」と言ってルーシィの手から本を取り上げた。

「むかーしむかし、あるところに大変綺麗で可愛い、雪のように白い肌の…いや、夜に行う愛の営みの時だけは林檎のような肌に染まるお姫様がいました。」
「なんか冒頭からおかしいわよ?!」
「え?どこらへんが?」
「夜に行う…あたりのくだりはいらないでしょ?!」
「いや、だって白雪姫はルーシィ、王子様はもちろん僕だからさ。」

爽やかな笑みを浮かべてルーシィの突っ込みに真剣に応えるレオは本当に真剣なのかそれとも適当なのか…とにかくなんとなく、自分が疲れる結果になる気がしたのでルーシィはレオから本を取り上げた。

「もーやめやめ!喉渇いちゃったからジュースでも「しかし、同じ城に住む妃―大変意地悪な継母は優しく人気者のルーシィを妬んでいたのです。」
「つ、続いてる?!」
「『鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?』
『へいベイビー!!そりゃあなんといってもルーシィ嬢だぜい!!』
『…ビックスロー?もう一度聞くわ。一番美しいのはだあれ?』

妃はメガネを外します。ああ、かわいそうなビックスロー。このまま本当のことを言えば石にされてしまうだろう。ビックスローは慌てて

『そ!そりゃあ!!!エバーグリーンに決まってる!!!』

と言いました。満足そうに微笑むエバーグリーンでしたが、心の中は嫉妬だらけ。

『あの女が悪いんだわ…、レビィレビィ!!』
『なんでしょうかお妃様。』
『あの忌々しい小娘を殺す命をお前に与えるわ。』

エバーグリーンはとても可愛いルーシィのことを、召使いのレビィに殺すよう命じました。だけどレビィにルーシィを殺すことはできません。なぜならルーシィは、レビィのことを家族のように慕ってくれていたからです。ですが、彼女を殺さなければ自分も石に変えられてしまうでしょう。どうしようかと悩んだ挙げ句、レビィはあることを思いつきました。次の日、ルーシィがいつものようにレビィの元を訪れるとレビィは作り笑いでルーシィに話しかけます。

『ルーちゃん…たまには外に散歩に行かない?』
『いいよ、どうしたのレビィちゃん。』

顔色の悪いレビィを、優しいルーシィはとても心配しました。ですがレビィは、大丈夫だよと頷きルーシィの手を引きます。歩いて森へ行く最中、二人の間に会話はありません。ようやくレビィの足がとまり、くるりと振り向いた彼女に安堵したルーシィでしたがレビィは悲しそうな顔をしていました。

『ルーちゃん………ごめんね!』
『……!!!!』




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