最初は敵だと思っていた。今まで出会ってきた聖闘士とは何か違うオーラを身に纏っていた。口は悪いし、挑発する口調で、ハッキリ言って腹が立った。そりゃあ力の差が歴然と違うのはわかるが、だからと言って力ずくで物事を進められると苛立ちを増してしまう。

「ふっざけんなよ、くそマニゴルド!」

「うっせえ、マニゴルドさんだろ、ベガサス!」

この会話がどれだけの人を巻き込むのかはたまた迷惑を掛けるのかを意識していないのだろうなと思う反面、苛々してしまうと我を忘れてしまう。
マニゴルドがいけない。俺は悪くない。だなんてことを考えるのは幼稚なことかもしれないが、本当にそうなのだから知ったこっちゃあない。

でも、マニゴルドを喋っている自分は、同い年の友人と会話をするように気軽だし、もしかすると邪人よりも喋りやすいのかもしれない。

アローンのことを忘れてしまうくらい自分の中で身動きが取れやすくなる。忘れてはいけないことなのかもしれない。ずっと思い続けて伝えなくちゃいけないこともあるかもしれない。それでも、ずっと頭の中で考えていると嫌になる。もう止めてくれと言いたくなる。

「おい、ガキ!何思い耽ってんだよ。まだ、悟るのはえーよ。一人前に人をスルーしてるんじゃねえっ」

「っ!いってーな、何するんだよ、」

出来るものならやってみなと挑発的な表情をしてからマニゴルドはどこかへ行ってしまった。それを追いかける自分には何となくだが、イキイキしていた気がする。

「くっそー、絶対殴ってやる、殺してやる!」




君がいるから生命力を続いている/0408
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