(Mon)


言葉まかせの愛してるなんてたかが知れている。ありふれた下心と偽りの忠誠心でもう腹は一杯だ。変われない自身を嘆くくらいならいっそ死んでしまえ。ほら、その踏切を越えると楽になれるぞ。

いや、僕はもうずっと前に死んでしまっていたのだ。
自分の汚さは全て世の中のせいにしてしまえるのだ。うまく行かないことは全部、こんなときこそ現れない正義のヒーローのせいにしてしまえばいい。
残念なことに、今この状況ですら気の利いた感謝の言葉すら出てこない。ああ本当に残念。残念な僕の人生。

「ごめんなさい」

僕はふと目があった見ず知らずの運転手に小さな声で謝罪をした。


ダイイング