(Mon)


ほんの少し、面倒だと思ってしまう瞬間があった。そう思う僕が悪いのか思わせる君が悪いのか。
けれど君にそんな顔をさせているのだから、きっと僕が悪いのだろう。大きな瞳から次々と涙がこぼれ落ちるのを見ても、罪悪感はなかった。可哀想に、ただそう思った。
不安定に彷徨っている感情が、また元の場所に戻るのが怖いんだ。あえて自分で言おう、彼女は本当に異性を見る目が無かったのだ。

その証拠に、あんなに高い所から今まさに飛び降りようとする彼女に、僕は何も言えない。何も言わない。

だって
「俺達さ」
面倒だ、そう感じてしまった時点で
「もう終わってるんだよ」

次の風が吹いた時、きっともう俺の視界に彼女はいない。そう思いながら笑顔で言葉を送った僕は、世界一最低な男だろう。


はい、おわり