それは孤独を愛する少年だった。
「……何用だ。」
「お久しぶりです。」
「戯れ事を申すな、虫けら。」
「酷くないですか……?」
図書館の一番奥の席は彼の特等席である。
受験勉強という名目で、図書館を訪れた私はいつもその向かいの席に座って、見知らぬ彼を観察していた。
彼も私も何も言いはしない。目が合うこともない。
いつも私が彼を見詰めているだけだった。
彼はいつでも小難しいタイトルの分厚い本のページをただめくっている。
まるでページをめくるだけのロボットみたいだと言うのが、私の1ヶ月の彼の感想だった。
「あ、」
1ヶ月後のある日、私が解けない問題に苛立って乱暴に消しゴムを机に置いたときだった。
随分と小さくなってしまった消しゴムはころころと転がり、彼の目の前に転がった。
今、立ち上がってその消しゴムを取るのは気まずい…彼が気付いて私に渡してくれればそれが一番自然で平和的なのだが、彼の興味はその手の参考書に一身に注がれている。望みは薄い。
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冒頭の台詞に至るまでになんやかんやあるはずなんですが、なんやかんやが書けなかったのでボツです。なんか安っぽいドラマみたいになりそうな予感ですね!まあ喋るようになった暁に待っているのは罵倒ですけど^ワ^0322