「おや、妙な香がします。」
朝餉にと出された味噌汁を飲もうとしたら刺激臭が鼻をつく。
実際のところ妙どころでは無いのだが、外見はただの味噌汁なだけ今日はマシでしょう。
「気のせいですわ、光秀様。
さあ早く名めが御作り申し上げた味噌汁をぐぐっと!」
「名の申し出と言えどこれはお断りします。」
「ぐぎゃぁあああ!!!!」
手に持っていた味噌汁の椀を名に向かって投げたら、案の定名は避けることも出来ずに頭から味噌汁まみれ。
おやおやすごい刺激臭です。
「臭いですよ、名。」
「心身共に傷がつくのでその言い方は止めてくださいまぎゃあああ目に!目に入ったあああ!」
こんな和やかな朝餉は名が嫁いできてからずっとのことで、最近ますます喧し……賑やかになっている。
「名、」
「な、何でしょう、光秀様。」
「貴女が私を殺せるのはいつでしょうね。ふっ。」
「笑ってんじゃねぇよ糞だらぁあああ!!!!」
「一国の姫だったというのに下品ですね。」
まぁ、暫くは愉しませて頂きましょう。
この浅はかな我が妻に。
殺して御覧よ、マイハニー
(戦で死んだら殺しますからね!)
(死ぬ気はありませんが…はっ)
(鼻で笑ってんじゃねぇええ!!)
(そんな半泣きで言われましてもねぇ)