もはや習慣のようになって、やって来たコンビニにいたのは、やっぱり猿飛さんだった。
にこやかにいらっしゃいませと声をかけられて、こんにちはと返す。
「肉まん?」
「いや、肉まんは止めときます。」
「でも、アイスは買うんだね。」
いつものようにカウンターにアイスを置いたら、笑われた。
私のアイスじゃないんだけどなぁ。
「同居人のですよ。私はあんまん下さい。」
「同棲してるの?」
「女の子ですよ。」
「なんだ。で、これからはあんまんに乗り換えるの?」
「…だって、毛利くんが煩いんですもん。」
「なんだかんだで仲良くやってんだね。」
「まあ、たまに連絡取るくらいですよ。
昨日、最近肉まんばっか食べてるって言ったら食事のバランスがどうとか、好き嫌いが多いとか言われて…何かお母さんが増えた気分ですよ。」
「はは、お母さんねぇ。」
猿飛さんは手際よくあんまんを包み、レジを打ち込んでいく。
「226円ですー。」
「はーい。」
私はお釣りが出ないようにきっちり小銭を出した。
たまにあるけど気持ち良いよなあ。
「毛利の旦那とさ、仲良く続けば良いね。」
「意味深な言い方しますね。普通に仲良いですよー。」
「いや、旦那が仲良く出来そうな人間周りにいなさそうだからねー。」
「まあ…、ちょっとキツい言い方しますからねー。」
「そんな風に流せるなら大丈夫だよ。君、意外と強いよねー。」
「意外ってなんですか。」
何だか腑に落ちないが、それが良いとこだよねと明るく言われて何も言えないまま、私は笑ってコンビニから出るのだった。
コンビニ
〜After story〜
「最近はなんとあんまんです。」
「……貴様は救いようのない阿呆だな。」
「えー…。」
「偏食もたいがいにせよ。」
20110224〜20110508
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