豪快に笑いながら城主は私の前にどかりと座っていた。何で私笑われてるんだろう。

「よう参った!!調子はどうじゃ。」

「体が丈夫なのが取り柄ですので、快調です。」

私は三つ指をつきながら、頭を下げた。
しかしやばい眠い眠いぞぉ……!!
今にも寝れそうな勢いだ。でもこちらもまた上客な信玄様の手前寝る訳にはいかない。
ていうか寝たら多分、佐助様に寝首かかれると思うよ!

「はっはっは!今日は泊まって行け!名前。」

「ありがとうございます。」

いつも太っ腹な信玄様は私を泊めてくださるので万々歳だ。しかも広い部屋だ。ありがたい!

「げっ、泊まるの。」

「げって何ですか佐助様。」

「だってねー、大将が言うなら仕方ないけどさぁ。」

信玄様の横で控えていた佐助様がいきなり口を開いたから私は思わず顔を上げてしまった。
いや、ほらお偉いさんですからね、頭上げろって言われてないのに頭上げちゃうのは失礼じゃないですか。

「何。名前、一人増えたところで何も変わらんわ。」

「信玄様だけですよ、私にそんな風に言ってくれるのは。
他の人には叩き起こされるし、睨み付けられるし、馬鹿にされるし、散々ですよ。」

「はっはっは!」

私が愚痴めいたことを言ったのに、信玄様は豪快に笑った。
あれ?笑い事?結構笑い事じゃないよ。
言わなかったけど殺されかけたりもしましたからね?

「くつろいでいけぇ!」

「ありがとうございます……とりあえず、寝てもいいですか。」

流石に信玄様も何言ってんのこいつみたいな目で見てくるかなと思ったが、いつものように笑って思うようにしろとおっしゃった。
佐助様が予想通り引いてたとか気にしないよ!

「あ、文にございます。」

「ぬぅ…、忘れておったな。」

「忘れてました。すいません。」

「それって飛脚としてどうなの。」

反省してます。





戦 神 覇 王

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