「あと、肉まんひとつ……。」

「……………………。」

最近、まれに見るコンビニ店員の『毛利』さんはかなりふてぶてしい。
無言で肉まん紙袋に詰めたら、迷うことなくアイスと一緒に肉まんをビニール袋にいれやがった。
店長を呼べと叫びたかったが、いかせんそんなことは出来ない小心者とはこの私である。
それに、『毛利』さんは氷の眼差しを私にむけるのだ。しかも、ひしひしどころか氷の粒をがんがん投げ付けられてる気分に陥ることが多々ある。
要約すると『毛利』さん超怖い。

「……………。」

「……………。」

何も言わずに私はお金を支払い、商品を受け取る。
ひんやりとしたアイスとほくほく湯気をあげる肉まんの絶妙に最悪な温度を右手に感じながら、私は心の中で涙した。

「………。」

ありがとうございましたと言われるはずのタイミングで投げ付けられたのはやっぱり氷の粒だった。
肉まんを投げ返してやりたいが、そんなことしたら多分私『毛利』さんに殺される。沈められる。

二度とこんなコンビニ来るものか。




 
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