考える事だってあるんです 3



「おい、今度がお前がどっか行ってんじゃねぇかよ」
「…いや…そうじゃねーケド」
「もしかして図星で固まってたか?」

コイツオレの心が読めるんじゃねーか?と思って思わず体がビクリと跳ねた。勿論ソレを蒼が見逃す訳もなく。

「へぇ…意外とお前も可愛いトコあんじゃねぇかよ」
「全然嬉しくねーんだけど…;」

すげーニヤニヤと見てくる蒼がムカツク…ケド、反論できねーんだ、これが。あー悔しい!!

「素直にどーんとぶつかって行きゃあいいんじゃねぇの?お前さぁ颯の前だと何かツンデレだよなぁ、あ、むしろツンツン?あれじゃあ誰だって態度悪くなるって」
「…何となく顔見るとムカツク…」
「何だよそれ(笑)とにかくさぁ、颯だってお前以外にはいい奴なんだし、お前が変わらなかったら先に進まねぇと思うぜ?」
「そー、だよな…」

言葉では判ってるつもりなんだけど眉間に皺が寄る。蒼が指で楽しそうに突いてくるが数が増えるだけ。長年培ってきた性格はそう簡単には変わらない。

「まぁ頑張れば?…あいつ等帰ってきたしこの話はここまでな」

そういって蒼は立ち上がるついでに頭をクシャリと撫でて戻ってきた奴等を出迎えに行った。頑張ればってひとごと…まぁ実際そうなんだけどオレが変わらなきゃ何も変わらないか…

「…猫…どうしたんだ?…難しい顔してる」

視線を上げると帰ってきた凌が心配そうにオレを見ていた。

「…はは、凌は優しいなー♪好きだぜー」
「…ん、俺も猫の事好き…」
「ちょっとーそこでイチャイチャしないでくれる?」

きゅうっと凌に抱きつき堪能していると本気で嫌そうな尊の声がした。実際顔も嫌そうだ。

「なーんだ尊。凌に妬いてんのか?お前もぎゅーってしてやろうかww」
「Σば、ばっかじゃないの!?そんなのして欲しくないしっ!!」
「えーじゃあオレが尊の事ぎゅーってしよーかなぁ」

そこに蒼まで乗って来て尊をからかい始めた。からかわれた尊の方は二人にからかわれ、かなりイライラした顔をしている。

「蒼サンまで何言い出すのさっ!!どっちもお断り!!…するなら凌サンがいいっ!!」
「えぇー何なに?尊、猫から凌奪うつもりかぁ?」

「……俺は…猫がいい…」

ギャーギャー言ってた奴らが凌の一言で一瞬シーンとなった。尊は真っ赤な顔で口をパクパクさせ、凌は自分の落とした爆弾に気付かずキョトンとしていた。ソレを見たオレと蒼は大爆笑。

「あーお前ら笑かしてくれるなーww最高♪」

何か一瞬で悩んでんのが馬鹿馬鹿しくなった。無理に変わろうとしなくても受け入れてくる人がいるって言うのはありがたい事だ。そう思ったら今のままでいい気がした。
無理して変わっても絶対ボロは出るんだし、だったらありのままを受け入れてくれる人にしたらいい話だ。それに相手が変わる可能性だってある。焦る事はないんだ。

「蒼!オレはオレのままでいることにした!!」
「やっぱそういう結論になるんだ?まぁ自分が納得してんだったらいいんじゃね?」

「何の話ー?二人して…隠し事とかずるいよねー凌サン」
「…あぁ…聞きたい…けど、話してくれるまで待つ…」
「やっぱ凌は優しいなー!!サンキュ♪」
「ちょっとーボクだけ悪者扱いしないでよ!!猫意地悪いっ」
「まぁまぁ落ち着け尊。お前も待ってればそのうち判るって」
「むぅ…蒼サンが言うなら…聞かないでいてあげてもいいよ」

尊が落ち着いたところに叶と嵐も帰ってきてコミュは更に賑やかになった。


これからも同じようなことで悩むかも知れねーケド、ここにいたらどうにかなるって思えるのは何でだろうな。


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