考える事だってあるんです 2


「えと…さ…オレ…また誰か…好きになれると思うか…?」


あ、鳩が豆鉄砲食らった顔ってこういう顔か?暫く待ってみたけど動く気配ねーから顔の前で手を振ってみる。

「…あまりにも予想外すぎて遠くに旅立っちまったじゃねぇかよ!」
「おー帰ってこねーかと思った…」

オレが返事すると額に青筋浮かべて頭を両手でグリグリされた。これ地味に痛てーんだよっ!!

「お前さぁ…そういうのって自分で考えるモンじゃね?」
「いてて…;考えても判んねーから相談してる…」
「じゃあさ、オレが無理って言ったらお前誰か好きになる事諦めんのかよ」
「そ、それは…」
「違うだろ?碧がソイツを好きになるかどうか決めんだろ、だったら人に聞くことじゃねぇよな」

蒼の言う事はもっともだった。オレは誰かに『大丈夫』って言って欲しかっただけだったんだろうか…

「で?相手は颯か?」
「はーーーー!?なんでアイツ?」

おや?という顔でオレを見る。何でそこに颯が出てくるんだ?オレの方が疑問符でいっぱいなんだけど…

「お前ら相思相愛に見えんだがなぁ…」
「そんな訳ねーじゃん。アイツが気になってたとしても今のオレじゃなく昔のお綺麗なオレだし…」

それでも碧には変わりねぇだろと言うが今と昔じゃ全然違う。あの頃の何も知らなかったオレはもういない…

「もしかしてそれがお前ショックで踏み出せねぇとか?」
「は…?」
「何で今のオレを見てくんねぇんだよ、今のオレも昔のオレも皆同じなのに…ってそういう事じゃねぇの?」

…どうしよう…日本語喋ってるはずなのに蒼の言葉が理解できねー…というよりホントはオレが理解したくないのかも知れない…。そうじゃないと今までオレがやってきた事が無駄になる気がした。


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テーマ「人外ファンタジー」
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