お馬鹿が一途になる瞬間


ニャーニャーとあちこちから猫の声が聞える。そういえば上の子達がその辺一帯のノラ猫の世話してるって颯君が言ってたっけぇ?
声に誘われるように建物から1人餌を持って出てきた。制服姿だから学生さんかなぁ?
うわっ気付いたら猫だらけになってるぅ。でも餌を持つ子は嫌な顔ひとつせず笑顔で餌をあちこちに置いてる。上の子が皆猫好きってホントなんだなぁ。
ぼんやりと見てると餌をあげていた子が僕に気付いた。

「そちらは今からですか?お疲れ様です」
「んーそぅ。君も遊びに来ればぁ?」
「残念ですが私は未成年なのでお邪魔できないんですよ」
「そんなの黙ってれば判んないよぅ。ナイショにしといてあげるしぃ」

でも、と彼は笑い猫君も颯君も知っているからと言う。颯君はいつ上の子達と会ってるんだろ不思議ー。

「私がお邪魔する事は出来ませんが昼間よろしければ上にいらしてください。お茶位しかお出しできませんが」
「へ?僕遊びに行ってもいいのぉ?」
「ええ、どなたがいらしても歓迎しますよ」

クスクスと綺麗に笑う子に興味が沸いちゃったぁ。僕より若いのに丁寧な喋りもいいよねぇ♪明日行くって事を伝えるとお待ちしてますねと笑顔で言い建物へ入って行った。颯君にあの子の名前聞かなきゃ!!

「お前らは揃いも揃って看板出しに行くだけで何分かかって…」
「颯君っ!上の敬語で喋る可愛い子の名前教えてぇー!」
「人の話を途中で遮るな;…ん?敬語の子…叶か?それがどうした」
「叶君?僕その子にお茶誘われちゃったぁ♪」

ウキウキでそういうと呆れた顔されちゃった。何でぇ?

「澤、上行くのか?俺も行ってもいいよなっ!」
「…頼、忘れたのか?お前尊に出入り禁止って言われたよなぁ」
「ぐっ…だってよぉ尊が…」
「ダメって言われてるんじゃ無理ぃー頼君と一緒に行って僕まで出入り禁止にされちゃったら困るもーん」

頼に向かって両手でバツを作ったら面白い位に凹んじゃったぁ。最近の頼君って尊君中心に動いてて面白いのー♪それだけ好きって事だろうけどねぇ。


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