想いの行方


※注意※
パラレルなので登場人物の性格が多少違います。笑って見守ってくださいww


初めて見た時から気になってた。
何でこんなチビなのにとか、全然優しくないのにとか…。でも好きになるのに理由なんて必要ない。気づいたら好きだった。ううん、多分最初から好きだった。ボクは猫に抱かれたかった。

身長だってボクの方が15センチ以上も高い。この身長はいつも皆に羨ましがられるけどボクにとってはコンプレックスで…だって男を好きになる時は抱きたいじゃなくて抱かれたいから…別に男だけが好きな訳じゃなくて女の子も好きだし、可愛い男の子がいれば抱きたいと思うけど、やっぱりされたい方が強いかも知れない。
猫は男だけが好きでやっぱりボクと一緒で抱かれたい側の人で…それに身長がやっぱり…自分より大きい相手なんて猫だって嫌だろうって判ってた。だからなるべく近寄らないようにしようって思ってて…気づいたら猫にだけ冷たい態度になってんだ。

「猫さんと尊さんだけで宣伝に出かけるとケンカになって相手方にご迷惑になってしまいますね(苦笑」
「仲裁役ってのも疲れんなぁ…;」

叶サンと蒼サンが話をしてるのを偶然外から帰ってきた時聞いてしまって胸が痛んだ。周りの人に迷惑かけるつもりはなかった…。でも猫といると出るのは憎まれ口ばっかりで。ボク自身どうしていいか分からなくなっていた。


「何でオレにだけそんなに突っかかってくんの?」

暫くしてとうとう本人から聞かれた。猫もオーナーとしてこの状況は良くないと思っていたみたいで…どうしよう…元から好かれてないのに…更に嫌われた…コミュから追い出されるかも…そう思うと涙が零れた。

「Σちょ…待て!!…尊っ!こっち来い」

一番泣き顔を見られたくない人に泣いてるの見られた…もーやだ…放っておいてくれればいいのに…
なのに慌てて猫はボクの手を引き個室へと入った。

「……オレ何か尊に嫌われるような事したか?…最初ッから睨んでくるし宣伝に行けばオレの批判ばっかして。なー…オレの事嫌いでもいいけどさ…皆に…」
「誰が…誰が…猫の事嫌いって言ったのさ…」
「え…?」

もうムカついた。見つめてたの睨んでたと誤解されてるし、そもそも嫌ってなんかないしっ好きだし!!
ボクは猫を追い詰めるとベッドの上に突き飛ばす。不意をつかれあっさりと転がる猫に跨り上から見下ろす。

「ボクは猫の事一度も嫌いだなんて言ってないっ!なのにどうして嫌いだなんて決め付けるのさっ」
「え、あ…そりゃあれだけ…しかもオレだけに突っかかって来られたら普通そう思うだろっ!?」
「そんなの…猫が悪いんでしょっ!!猫が…猫がボクの気持ちに気づかないからっ!」

驚いて目を見開く猫の顔を両手で固定すると触れるだけのキスを落とす。離れる瞬間猫の頬にポタリと水分が落ちた。ボクまた泣いてるんだ…カッコ悪い…。

「猫の事好き…最初見た時から…ずっと好き…猫に抱かれたいよ…///」
「…尊……」

猫はボクの名前を呼んだっきり固まってしまった。やっぱりボクみたいな大きい奴に言われるのは嫌?気持ち悪いのかな…。そう思うと涙は流れる一方で鼻まで垂れそうだったから目を逸らし体を起こそうとした。

「オレの事…嫌ってなかったんだ…」
「ちょっ…ね…猫っ!?///」

離れようとした体を下から引っ張られボクは猫の上に覆いかぶさる形となった。猫はボクの背中に腕を回し離れられないように固定した。そ、そんな事されたらドキドキしてるのが伝わっちゃうし恥ずかしい…。

「すげードキドキしてんのな。ホントにオレの事好きなんだ」
「…こ、こんな事冗談で言うわけないでしょ///って言うか離してよっ///」
「何で?オレに抱かれたいとか言ってたのに抱きしめてるだけで嫌なんだ?」
「Σ何でそんな意地悪言うの?…嫌な訳じゃないって……もう…いいよ…そうやってからかうなら聞かなかった事にしてよ!!」

クスクスと笑いながらの声が悲しかった。結局ちゃんと伝えても猫にとっては冗談にして流そうと考える程度のものだったんだなーって…。ドキドキして止まりかけてた涙はまた涙腺が壊れたかのように溢れ始めた。

「あー…悪い…笑って済ませようとするのはオレの悪い癖だな…;…からかってる訳じゃない。嬉しい。サンキュ…」

猫は優しくボクの頭を撫でながらそう言った。その手は本当に優しくて…ボク嫌われてないんだって判った。優しい手にうっとりとし始めた頃

「そんだけ泣かれると手出しにくいんだけどな…」

ボソリとそう呟かれ、撫でられていた事も抱きしめられていた事も忘れ、勢いに任せガバッと体を起こしてしまった。

「…ぁ…」
「すげー勢いwwあーあ…顔グシャグシャ…お前ってそんな泣き虫だったんだ…ちゃんと聞かねーと判んねーもんだな…」

ボクの顔を見て猫は苦笑しながら側にあったティッシュを取ると丁寧に拭いてくれた。そしてその後軽くキスされた…///

「エッチは待ってな。正直尊の事そういう風には見てなかったから。そんな状態で抱かれんのも嫌だろ?」
「…その割には今キスされたけど…///」
「それもダメだったか?んーでもしちまったものはしょうがない、許せww」
「だ、ダメなんて言ってないっ///」
「ふーん…お前可愛い奴だったんだなー♪」

可愛いとかこのタイミングで言う!?固まったボクに猫はまたキスをした。どれだけ好きなのかどうか判らない相手にキスすんの…この人…。嫌じゃないボクもダメだけど…。


今現在も猫からは返事貰ってない。勿論エッチも保留。でもよく考えたらこのコミュ、コミュ内恋愛禁止だった。という事は本当はボクはコミュから出て行かなきゃいけない状態なんだけど猫はそれを黙っていてくれてるという事になる。
ボクと猫との関係はと言えば、前みたいに周りのメンバーに迷惑をかけるような事はなく、叶サンや蒼サンは急に…と随分驚いているようだった。たまに二人っきりになった時ボクは猫に甘えてみる。すると撫でたり抱きしめたり軽くキスしてくれたりする。

それで十分満足できてるから返事はいらない気がする。


end.

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