初めての日
「叶っ!!凌がおかしいって?」
「そうなんです…帰ってきてから閉じこもって出てこないんです」
凌が宣伝から帰ってきてからすぐにベッドのある部屋に閉じこもって出てこないと携帯に連絡を貰い猫は慌てて戻ってきた。中から鍵が掛けられる部屋ではあるがオーナーの猫なら合鍵を持っているだろうと叶は判断した。そして、なにより猫なら凌から話が聞けるだろうと。
「凌…どうした…?」
猫が優しくドア越しに話しかけるも反応はなく、仕方なく合鍵を使って警戒しているかも知れないという配慮から猫だけ中に入ることになった。
中で凌は布団にスッポリと包まっていた。優しく撫でるとビクンと反応する。
「凌…何かあったのか?…オレには言えねー事?」
「……猫…身体…おかしいんだ…」
布団から顔を出した凌は真っ赤な顔をしており、隠れて見えない布団の中で丸まっているようだった。一瞬風邪かと考えた猫だったがふとある事を思いつき、布団をガバッと剥がした。案の定丸まった凌の股間は膨らんでいた。
「凌何かどっかでされた?それとも飲まされたか?」
「…っ!違っ…そんな事なかった…急に…本当に急に…///」
「急になる事じゃないんだけどなー…思いつく事は?」
「………あっ…宣伝の帰りに…凄く仲良さそうな人達が公園にいて…それでその…///」
原因は判ったが、果たして自分が手を出していいものか猫は悩む。下手に手を出して凌の隠れた気持ちを前に出す事にはならないか…。でも辛そうな凌を見ているのも辛い。
「凌…大丈夫…コレ普通だから、凌が遅いんだってww」
「…なんで?…俺今までなかった…」
「んー…前は人と関わってなかったからそういう感情持てなくても普通だ。最近はほら、色んなコミュ行って色んな人と仲良くなってるからさ…」
「…どうしたら治る?…猫知ってるなら教えて…」
やはりそうなるか…と見えないよう溜息をつき、凌を起こし座らせると後ろに回りズボンの前を寛げさせる。
「ホントはコレ自分でやるんだぜ?ホラ、自分で持って」
「…ンッ…こう…ッ?…何か…はぁ…変…」
「そうなるのが普通。ちゃんと手、自分で動かして…」
「ふぁ…熱い…ココ…凄く…ンンッ!!…くぅッ!!」
凌は白濁を吐き出し息を荒げる。とりあえずコレで自慰が出来るようにはなるかと安心し、離れようとする猫を掴み
「…猫…どうしよう…凄くキスしたい…コレ、治まらない…」
一度出したはずのものはまだ硬度をもって凌の手の中にある。潤み熱っぽい瞳で見る凌に猫の方が我慢できなくなり、首に手を回し舌を絡めキスをする。
「凌…ヤリ方…教えるから…」
隣で疲れて寝ている凌の髪をゆるりと梳いてやる。後悔していない訳ではないが、あのまま黙って誰かに奪われるのを見ているのも嫌だった。恋愛かと問われれば違うと答えられるがそう簡単に手放せる相手でもない。
「暫くは誤魔化せそうだけど…風にバレるかな…それよりどうやって凌説得するかな…」
新たな悩みが増えたなと溜息をつく猫であった。
end.
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