Valentine day企画




「皆さんでチョコレートを作りましょう」
「…は?」
「バレンタインという行事もありますし、日頃の感謝を込めてチョコをお渡ししようかと思うんですが、私だけでやっても面白くないですので全員でやりませんか?というお話です」
「えーっと…さらっと『面白くない』とかいう言葉が聞えたのは気のせいか?」

ギギギと音が聞えそうな動きで顔を蒼に向けた叶の顔は怖かった…。その顔を見た全員が首を縦に振ることしか出来なくなってしまった程だ。

「ふふ、心配しなくても簡単ですよ。作るのはチョコタルトなんですけどね、チョコとタルトは私と蒼さんで作りますので皆さんは中に何を入れるかだけを考えてくだされば結構です」

いつの間にか蒼が手伝う事は決定事項になっているらしい。チョコを作ろうと叶が言い出した時点である程度覚悟はしていたが…。

「それって最後まで二人で作ったのを皆で配るじゃダメなの?」
「お楽しみがあるんですよ、作るチョコはホワイトとビター2種類用意します。皆さんは中身の当たりとハズレを作ってください」
「片方が美味くて片方マズイって事か?」
「両方美味しくても構いませんよ、ビックリするような物であっても楽しいかも知れませんね」

「…食べれる物だったら何でもいい…?」
実はイベント事の好きな凌が楽しそうに聞く。凌が叶の話に乗ってしまえばそれはもう止められない訳で。そもそも叶が言い出した時点でもう止められないのは暗黙の了解というヤツだろうか。

「匂いのないものがいいですね。食べる前に気づかれてしまいますから」
「中身を決めるだけでいいのか?俺は作るなんて御免だ」
「そうですね…怪我をされても困りますので言っていただければ」
「そんなに不器用ではないわ!」

嵐の扱いもさすがしか言えない周りのメンバー…。叶がいつもよりも黒く見えるのは気のせいだろうか。

そうして数時間後男だらけのコミュの中に甘ったるい匂いが立ち込めるのであった。

end.

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