仮定・付き合うなら誰?




碧風に呼ばれ、全員が集められた。そして猫のみ風の待つ部屋へと呼ばれ、残されたメンバーは不安の色が隠せない。
「風さんが全員集める時って嫌ーな予感しかしねぇんだよな;」
「そうですね…ろくな事がないですよね…。何もなければいいんですが…」

猫一人がルームへと戻ってきた。メンバーの視線を受け多少驚いた感はあるものの、苦笑いでみんなに近づく。
「なーにそんなみんな怖い顔してんだよ…ww」
「猫、風に一体何を言われてきた?俺達は何故今日集められた」
「そんな焦って聞かなくても大丈夫だって。ほら、コレ」

猫の手には一通の封筒が握られていた。コレに風からの話が書いてあるから読んで実行するようにと言われただけだったようだ。
猫が封を切る間他メンバーは固唾を呑んで見守っている。中身を取り出し目で文章を追っていた猫は、持っていた手紙を投げ捨てる。

「あのボケアネキ…!何考えてんだ…;」
手紙には『このコミュで付き合うなら誰?』と書かれていた。

「何これ…どういう意味なのかなー?」
「どういう意味も…そのまんまだろ…;何考えてんだ?風さんは…;」

それまで一言も言葉を発しなかった凌が猫の後ろに回り抱きしめる。
「…俺は猫…それ以外は考えられない…」
「凌…乗っちゃうのか…;まあ、考えててもしょうがないか…んじゃあ俺凌ねー♪」

残りのメンバーも互いに顔を見合わせ考え始めた。が、なかなか動く気配がない。
コミュのメンバーと付き合うなんて考えてもみなかったのだろう。真剣に悩んでいるようだ。
「私は…蒼さんにお願いします。普段からお世話になってますし…他の方に比べたら…」
最後は控えめに言ったものの、嵐と尊には聞えていたようで叶をギッと睨むが当の本人に気にした様子はない。
「あー…そうだな、じゃあ俺も叶にするわ。普段から側にいるしな」

残った嵐と尊はお互い顔を見合わせた。
「えーーーー嵐サンと!?嘘でしょーーー?」
「ムッ、こっちこそ何故貴様なんぞと付き合わなければならない」
「ボクだって嵐サンみたいな変態となんか付き合いたくないよ」
「変態だと!?貴様…言わせておけば…躾が必要なようだなっ!!」

ギャーギャーと言い争う二人。
「…あの二人…凄く似合ってると思う…」
「そーだなwwオレもそう思う。似てんのかなーww」

「で?付き合う相手決めてどうすんだろうな?」
「オレもそこまで聞いてないしなー…あっ…」

猫の何かに気づいた声にメンバーは猫の見ている方向を見る。すると嵐に押し倒されキスされている尊の姿があった。
しかし一方的にされているのかと言うと、首に腕を回しているところを見ると尊も満更ではなさそうだ。
「え…ちょっと…何を…////」
「うひゃあ…こんなトコでディープキスかますとか…すげーな…」

「…猫…俺もしたい…」
「あら…刺激されちゃったかwwいいぜ…あ、お前らもしとけば?」
クスクスと笑い、猫が凌に抱きしめられキスをしている姿はよく普段から見かける光景で、蒼と叶も気にはならないのだが、さっきまでケンカをしていた嵐と尊が短時間でああなる理由が判らない…。
どうしようかと困惑していると、
「ぅん…嵐サン…///やだ…ぁん、そんなトコ触んないでよ…///」
「クス)お前だってその気になってるのに止めていいのか…?」

聞かなかったことにして全力でその場から離れる二人。色々と刺激が強すぎて心臓が壊れてしまいそうだった。
「え…えーと…風さんっ何考えてんだろうなぁ…ははは…;」
「そ、そうですよね…あの人も嵐さんに負けず劣らずの変態ですね…はは…」
つい嵐の名前を出してしまい、先ほどの光景を思い浮かべてしまう二人。

「…叶…オレらも…しとく…?///」
「…その方が良いんでしょうか…///」
ふと見詰め合い自然と唇同士が近づいて行き…


別室でモニターを眺める女一人。
「ちゃんと録画できてるね、ふふん♪何かいい具合に楽しい事になったわ♪こうでなきゃ男ばっかりのコミュなんて楽しくないわよねーv」


****************************

「ちょっとー!何コレ!?何でボクが嵐サンに押し倒されてんの!?」
「…最後どうして私達までそういう事しようとしてるんでしょうか…?」
「オレ『しとく…?』って何だよ…ありえねぇ…;」

皆が見ているもの、それは風の書いた小説のデータだった。どうやら冬の祭典に出す新刊の一部らしい。

「オレもアネキの机の上でコレ見つけた時マジ引いたぜ;自分のアネキでありながら恐ろしい…」
「別に驚く事もあるまい。いつもの光景じゃないか」
「誤解招くような発言やめてよーーーー!!嵐サンの行動がいつもどおりでもボク全然違うでしょっ!!」
「…いつもどおり…猫と一緒…」
「ま、まあ、オレらと嵐はいつもどおりだけどな…」
「まさか…これ続きなんてないでしょうね…?」
「これ1本じゃ本なんて出せねーだろ…データこれだけじゃなかったし…あるぜ…多分;」

その想像に凌と嵐以外の全員がぞっとするのであった。

end.

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