「へぇ、加藤君から“わりとボーっとしてる”って言われたの」

「ボクはそんなことはないのだが」

「大丈夫だよ。椿君はわりとボーっとしてるから」

「どこに対しての“大丈夫”だ!!」

「本当のことだと思うんだもの」

「確かに…キリを隣に置かなくなって人によくぶつかるようにはなってしまったが…」

「何だかんだで気にしてるんだ？」

「なっ…！ボクは別に…！」

「強がらない強がらない」

「強がってなどない！」

「ふふ、別にボーっとしてたっていいじゃない」

「何故だ？」

「だって…椿君がボーっとしていてくれないと、私があなたを見てる為の言い訳がなくなっちゃうじゃない」

「…お前はまたそんなくだらんことを考えて…」

「え、そうかな？」

「そんな理由付けなどしなくとも見たければ見ていればいい」

「ふっふー、椿君堅いからダメかなって！」



理由なんていらないんです。



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