入院生活してると体がナマってしょうがない

一応手元で出来ることはやってるけど

結局は全部試合への欲求に変わっていく

早くチームに戻りたい


たとえそれが期限付きの復帰だったとしても


けど無理はできない

それをするとあいつが泣いちまうから




「……ミョウジ?」


ベッドに突っ伏して眠っているミョウジに目をやって今度は窓の外を見る

もう夕方になりかけてる


「来てたのか。寝てて気づかなかった」

当たり前だけど返事はない

何となく寂しいな、ミョウジから返事がないと


「…ん、鉄平…?」

「あ、起こしたか、悪い」

「へーき、むしろありがとう、起こしてくれて」

「随分今日は来るのが早かったけど部活は?」

「リコが行ってきていいって言ってくれたから来ちゃった」

「そうか。なら俺も昼寝しなけりゃよかったな」

「私も寝ちゃったからそれはおあいこ。私は鉄平が傍にいるだけで安心するから」

「そりゃどういうことだ?」

「暫く学校とかで会ってなかったからかさ、なんか私最近調子出なくて…」


“鉄平がいないと生きた心地しないんだよね”

なんて笑いながら言うミョウジ


オレはそんな彼女の頭に手を伸ばす


撫でると緩む顔も

照れて俯く仕草も

それら全てがたまらなく好きだ


最近じゃ、彼女はオレの為に生まれてきてくれたんじゃないかと本気で思う

それを日向に言ったら“ダァホ”って返されたけど



「好きだ、ミョウジ」

「うん、私も」




いや、多分自分で思っている以上に


オレは彼女が好きなんだ



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