「ねぇ、いつになったらまたバスケやるの?」
「やらねぇよ。俺はもう一生バスケはやらねぇの」
「何でよ!あなたがいれば…部はもっと強くなる!!」
「今だって十分だろ?黒子も火神も、他の奴らだって。あいつらがいれば俺はいらない」
「そんなことないわ、必要よ。みんな一緒にプレーしたがってる人だっている」
「…しつこいね。たとえ羽交い締めにされてお前の料理食わされることになっても俺は部には入らない」
「私…あなたがそんなに中途半端な思いでバスケしてたなんて知らなかったわ…!」
何だよその顔
まるで俺が悪いことしてるみてぇじゃん
どいつもこいつもバスケバスケって…
もう何がなんだかわかんねぇや
何でそこまで…
「中途半端…か。確かにそうかもな。けどよ、それって結局は俺が弱いってだけの話だ」
「…ッ!!あなたは弱くなんかない!!」
「は、お前言ってること矛盾してんぞ。中途半端は弱さじゃないってか?」
「そうよ!弱くなんかないの!そんなあなただから私は…!!」
俺は慌てて相田の口元をおさえた
何となく今聞いてはいけない気がしたから
けど、今の言葉は…
「本当にさぁ…お前らってずりぃよな…人を動かすのがうまいっつーか…」
「…?」
「次のWCでウチが優勝…いや、初戦は青峰のとこだったか…桐皇に勝てたら、入部の話、考えてやってもいい」
「本当に!?」
「あぁ、ついでに…さっきのお前の言葉の続きも聞いてやるよ。今度は逃げずに、な」
あいつらが初戦に勝てるなんて、初めからわかってたことだったはずだ
まったく…自分の甘さ加減に腹が立つ
けど、またボールに触ってみたいって
鬼監督の指導を受けてみたいって思っちまったんだから
しょうがない
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