「大丈夫だよ、イヴ。私もギャリーとすぐに行くからね…そう…すぐに…」


不安げに去っていく幼い後ろ姿

赤いスカートの下に散らばる青い花びら


これが…これが私の白バラの花弁だったならどれだけよかっただろう


「……馬鹿な子ッ…あの子一人…行かせる…なんてねッ…」

「もしかしたら私ももう壊れちゃってるのかもね…」


壊れていてもいいよ


あなたを見捨ててここを去るくらいなら


ここで一緒に…


「……もう…疲れたね、ギャリー…」

「……えぇ…ほんッ…とに…疲れたわ……」

「…うん、眠ろう、少しだけ…」

「ふふ…少しだけ…よ…?…イヴが心配…する…から…」

「…そうだね」

「ねぇ…ナマエ…目が覚めたら……言い…たいこ…とが…」

「うん、聞く。聞くよ…聞くから、今は眠ろう…」


ギャリーが目を閉じるのを確認して私は自分の白バラを握りしめる


笑いながら眠っちゃってさ…


こんなの…こんなのズルいよ…



一枚、また一枚と花弁を、命をちぎりとる
最後の一枚


手をかける


「ギャリー…ばっかりズルかったッ…から…私も…ちょこっと…だけ…仕返しッ…するね…」


彼の横に寄り添うように腰をかける


あったかくないのに安心はする


不思議だなぁ…




「ギャリー……好き……好きよ……好きなの…」


バラが散ると共に遠ざかる意識





我ながら今の私達って絵みたいだと思う


どうせならゲルテナ氏もこういうのを絵にしてほしい


そしたら絵のタイトルは何にしよう



“寄り添う恋人達”



うん

これがいいね



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