今日も今日とて吹っ飛ぶごみ箱
ひらりと臨也が避ける先にはいつもの後ろ姿
盛大な音を立てて頭に直撃するごみ箱
中身は散らばり、無残な生ゴミが地へと落ちた
「いったぁ……まーたお前か!平和島静雄!!!!!」
「あぁ!?おめぇに今用はねぇんだよ!!失せろ!」
「ごみ箱ぶつけてきたのあんたの方だろうが!!!こっちだってあんたみたいな殺人マシーンと話す気はないんだよ!善良な市民にケガさせるとか最悪!」
「どこがだ!!野蛮な女だろうが手前ぇはよぉ!!」
「野蛮!?黙れ人外生物!!私はねぇ、学生時代にラブレター一通もらったことあんだぞこらぁ!!」
「自慢になってねぇんだよ馬鹿女!…ってうおぉ!!手前ぇ何投げてんだ!」
「見てわかんない?自動販売機だよ!あんたが避けるから壊れちゃったじゃんそれ!弁償しなよ」
「ふざけんじゃねぇ!!おめぇ今日こそ殺る!!」
「誰があんたみたいな奴に!人類の為にあんたが死ねやぁぁ!!」
徐々に池袋が壊れていく気すらしてくる毎度の喧嘩、もとい二人戦争
そしてそれを面白そうに眺める人が一人
「あはははっ!!俺としては相打ちになって両方いなくなってくれると嬉しいんだけどなぁ」
ぴたりと止まる二人
半径5m以内に誰もいないはずの空間にぽつりと佇む黒の男
池袋の二体の喧嘩人形は互いに顔を見合わせる
「平和島静雄、いくらあんたが単細胞でも今私達がするべきことくらいはわかるね?」
「あぁ」
「あれ?二人とも闘り合わないの?早く殺し合いでもしなよ」
「えぇ…今からやるわよ」
「ターゲット変更だ」
「「死ね臨也ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
これが静雄とミョウジが付き合い出すきっかけだった、らしい
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