女は男についていくことを望み

男も女が傍にいることを望んだ


たとえ、それが歪みきった関係だったとしても

何をどう幸せと捉えるかは結局は個人しだいでしかないのである




「お前、誰の女に手ェ出したかわかってる?」

「ぐッ…!!や…やめッ…」

「あいつはさ、お前みたいなやつが触っていい女じゃねーの」

「ゆッ…ゆる…じでッ…!」

「許すわけねーだろ」



「天谷、それ以上やったら死んじゃうよ」

「ミョウジ。もう遅いだろ。死んだこいつ、つまんね」

「あーあ、また死体増えちゃった…」

「おいミョウジ、お前血だらけじゃん。こいつのせい?」

「ううん、あ…でもこの人のせいって言ったらそうかも…?これ返り血だから…」

「こいつの血かよ、気にくわねー」

「これだけ派手にやるからだよ。でもありがと…そろそろ移動しよっか。こけしに襲われる前に…」

「かーごーめ、かーごーめ、ってか」

「それやる前に天谷がこけし全部壊しちゃったじゃない。“こばやし”と“だいごろう”と“たかまつ”だったっけ…」

「“こばやし”をヤったのはお前だろ?あれは痺れたぜ」

「ふふ…ありがと」

「ははっ、やっぱお前は最高の女だ!お前に手出すのも…お前を殺すのも…この俺だ」

「そう…私を殺すのはあなた。だから守ってね…?あなたに殺してもらうその日まで…」



狂ってる

けれど、これがこのカップルの幸せ



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