「相変わらず人気者ですね、松陽先生」
「それはあなただって同じでしょう?ミョウジが来るとみんなよく笑う」
「そうですか?嬉しいです」
「少々妬けてしまいますね」
「ふふ、いつも私ばっかり妬いてるので仕返しですね」
「おや、そうだったんですか?」
「だって私は男の人ではないから、あの子達に混ざって剣術の修行をすることもできませんから」
「いいんですよ、ミョウジは女のままで。でなければこうして一緒になることも、この剣で護ってやることもできやしないじゃないですか」
「な…何だか…そう言われると恥ずかしいです…」
「それは可愛らしい」
「…もう、いつも余裕だなぁ」
ずっと、ずっとこの人の隣にいられると思ってた
この人と同じ刻を生き
同じ終わりを迎えると思ってた
なのに
どうして、私が生きて、あの人が死んだの
あの人が一体何をしたって言うんだ
優しい人だった
ただ、自分の護りたい人や物を護ろうとしていただけじゃないか
そして私に託された最後の希望達も散ろうとしている
待って
行かないで
松陽の守りたかったあなた達まで行ってしまわないで
縋る私の手を優しく、悲しそうに振りほどいて
銀時達は去っていった
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