「ねぇ或」
「何だい?」
「…好き」
「うん、僕も好き」
「死なないでね」
「死なないよ」
「本当?」
「本当さ」
「本当の本当?」
「本当の本当さ」
「じゃあ信じてあげる」
「それは、どうもありがとう」
「…約束破って或が死んだら私も死ぬからね」
「それは困る、ますます死ねなくなったなぁ」
「…或」
「ん?」
「……キスして」
「いいよ、君が望むなら僕は何だってするから」
「じゃあ次の日曜にどこか行きたい」
「もちろんOK。待ち合わせはいつもの場所?」
「うん、待ってるからね」
「はは、気が早いよ」
日曜日
或はいつまでも待っても待ち合わせ場所には来ませんでした。
あぁ
彼はゲームに、由乃達に“負けた”のだと私はすぐに気づきました。
そして私は涙で濡れた手でバッグから自分の携帯を取り出して
べきりと
“未来日記”を折りました。
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