*「闇に溶ける」と同主です。









「よォ、お二人さん。そんなに警戒心ゼロだといつ頭に穴が空くかわかんねぇぜ…?」

「なっ…!?」

「灰原…!!」

「ふはっ、落ち着けよ、こいつはモデルガンだ。街中で鉛玉ぶっ放すほど壊れちゃいない。目立つの嫌いだしな」

「……暫くぶりかしら、スコーピオン」

「あぁ、そうだな…シェリー。工藤も元気そうで何より」

「何をしにきた」

「おいおい、街で偶然見かけた知り合いに声かけちゃいけねぇのかよ」

「組織の一員であるはずのあなたが、こうして私達を見かけては話しかけてくる。不審に思わない方が無理な話ね」

「俺は俺のしたいことをする、それだけ。だからお前らのことを組織に言わないし、俺も組織の内情を言わない。お陰でこんだけ接触してもお前らマークされてないんだぜ。なんせ俺交友関係広いから」

「……歩が」

「ん?」

「歩が言ってた“この前サソリの刺青をしたかっこいいお兄さんに助けてもらったんだ”って…それは」

「あぁ、多分それ俺。転びそうだったから手をとってやったんだよ」

「一体お前は何が目的だ…!!」

「別にお前らには何もしやしねぇよ。変に首つっこまなければ。おいシェリー、俺の評判悪すぎやしねぇか?」

「自業自得と受け取ることね」

「ま、そりゃそうか。んじゃお二人さん、また会えたらその時に」

「待てっ…!!」

「誰が待つかよ。そうだ工藤、最後に一つ…あんまりこっちに深入りすんなよ、お前は殺すには惜しい」

「くっ…スコーピオンっ…!!」

「工藤君、無駄よ。どうせ撒かれるから」

「くそっ…!!…おい灰原、あいつは昔からあんななのか?」

「えぇ、私の知る限りではね。若くして幹部入りを果たし、スナイパーとしての腕を買われた。組織内でも異質も異質だったわ。良く言えばマシな存在だったってとこかしら」

「おいおい…マシってお前なぁ」

「あら、本当のことだもの」

「灰原の言いたいことはわかるけどよ、組織の人間に変わりはない」


だからこそ、何故スコーピオンが組織に堕ちたのか


ただ純粋に気になった


今度会っても聞く気なんてきっと起きねぇけどな



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