「すごいよねぇ、ベルトルトはさ。何でもできちゃうんだもんね」
「そんなことないよ」
「何で?それだけ優秀なら夢の憲兵団に入れるよ」
「それはそうなんだけど…」
「む…煮えきらないなぁ。どしたの?せっかく内地に行けるっていうのにさぁ」
「……憲兵になったら…やっとできた命よりも大切な人を守れなくなる」
「はは、あたしなら大丈夫だよ。気にすることない」
君は知らないだけなんだ
僕がどれほどレイラを大事に思っているかを
どれほど…
どれほど僕が…
「レイラ、君は調査兵になるんだろう?」
「え、うん。そうするつもり」
「……決めたよ。僕もレイラと一緒に調査兵になる」
「…そんなこと言って…後になって後悔しますよー?」
「しない。絶対に」
「…本当……馬鹿な人。なら、私から離れないで。守ってよ」
呆れながらも嬉しそうに笑う彼女を引き寄せる
レイラの温もりを感じる
本当は守るためはただの言い訳で
この温もりを手放したくないから
レイラの傍にいたいから
僕はこの選択をしたのかもしれない
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