「鹿島くん、もうみんな寝ちゃったみたいだから少し休憩しよっか」
「あ、うん。お疲れ」
「それにしてもみんな天使だなぁ。癒されるよね、この寝顔」
「そうだね。兎田さんも一緒になって寝ちゃってるけど…」
「あはは、兎田さんはずっと寝てるからね。あ、そういえば今日狼谷くんは?」
「今日は野球部の方に出るって」
「そっかぁ。じゃあ私が来る前はそういう時鹿島くん一人で大変だったでしょ?」
「そんなことないよ。俺はおばあさんにお世話になってるんだからこれぐらい一人でやらなきゃいけないぐらいなのをみんなが手伝ってくれてるわけだし…」
「そっかそっか。やっぱり鹿島くんはすごいね」
「え?」
「私だったら途中で挫折しちゃうと思うから」
「それは俺だって…」
「それでも投げ出さずにがんばってる。それってすごいことだと思うよ」
「あ…ありがとう」
「ふふ…どういたしまして。ねぇ鹿島くん、何か困ったこととかあったら相談してね。私にできることなら何でも協力するから!!」
「え、いや…悪いよ!今だって充分助けてもらってるのに…!!」
「またすぐ遠慮するんだから。まぁ、そこが鹿島くんのいい所で私の好きな所でもあるんだけど…。いいんだよ、友達でしょう?私達」
「あ…えっと…うん」
「よしよし。素直な所も好きだよ私は。じゃあまた放課後に会おうね!」
「う…うん」
この時感じた不思議な気持ちの名前を
俺は近い内に知ることとなる
「…というわけなんですけど…どう思いますか兎田さん」
「え、竜ちゃんそれ気づいてないの…?」
「…?」
「あー…ピュアなのもいいとは思うけど。これ俺が言っていいのかな」
「是非教えてください!」
「…竜ちゃん、それはね…」
“恋”っていうんだよ
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