「レイラ、レイラ!」
「ん〜…?あ…エレンだ〜…」
どうしようもなく熱い体。
私は今日
対人格闘術の時間に倒れた。
元々調子悪かった所にアニの蹴りをくらったのがいけなかったんだよね、多分…
エレンにも心配かけちゃったみたいだし
無理はするもんじゃないなぁ…
「大丈夫か?」
「うーん…平気…かな、それよりエレンこそ大丈夫?食事の時間に女子部屋に来たの教官にバレたら…」
「そんなんすぐ戻れば平気だって。それにこれ渡しに来ただけだから…」
「あ…これ…パン…?そういえば何も食べてなかったなぁ」
朦朧とする意識の中で体調管理が出来てないからうんたらかんたらと教官に怒られた時から眠っていたから何も食べてないのを思い出す。
そう思うと何となくお腹も空いてきた。
「ありがと、エレン」
「いいよ、それぐらい」
エレンの隣でもふもふとパンを頬張る。
見られているのが気恥ずかしくて私は何か言葉を探した。
「あ、そうだ。私が寝てる間に何かあったりとかした?」
「いや、特に何もねぇよ」
「訓練で何か問題が起こったりとか」
「ない」
「ジャンとケンカしたりとか」
「ない」
「私のいない間に浮気したとか」
「ない」
「それはよかった!」
妙に暖かな気分になって私はニコニコしながらパンをかじる。
夢中で食べていたから口にはパンくずが。
するとエレンが指がそのパンくずをそっとぬぐい取ってくれる。
「俺は当分女はレイラしかいらねぇよ。だから早く病気直してくれ。レイラがいないとやる気が出ないんだから」
「フフ…はーい、了解っ」
熱なんか最初からなかったんじゃないかと思わせるくらい力強く私は頷いた。
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