レイラの瞳が心配から驚きにみるみる変わっていった。
そりゃあそうか。自分は遂に言ってしまったんだから。隠してきたことを彼女に。
でも一度言ってしまえば言葉はするすると口からこぼれ落ちていく。
「好きだよ。レイラが大好きなんだ。」
これを聞いたレイラは何と思うだろうか。もう友達ではいられなくなるんだろうか。
そして恐る恐る彼女の表情を見ると、レイラの瞳には自分と同じように涙が、口元には微笑が浮かべられていた。
「強くなんかなくたっていいんだよ…アルミンはアルミンだもん。私の大好きなアルミンだもん…!!」
「え…?」
「私も好きだよ。アルミンのことが大好き!」
今彼女は何と言ったのだ?レイラが自分を好き?こんな自分を?レイラが?
固まったままの彼を見てレイラがクスクスと笑い出す。それを見てアルミンも笑い出した。
ひとしきり笑い合った後、二人はお互いに見つめ合う。
そしてその後、夕日に照らされた二つの影が一つになるのにそう時間はかからなかった。
あれからしばらくの時が経った。
「貴様は何者だ!?」
「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」
「そうか!バカみてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」
「祖父がつけてくれました!」
「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」
「人類の勝利の役に立つため、大切な人を守るためです!!」
「それは素晴らしいな!!貴様には巨人のエサにでもなってもらおう」
通過儀礼を受けたアルミンと目が合う。
レイラはお疲れ様という意味を込めて彼を見る。
その視線にアルミンは苦笑を返した。
その後、同部屋になったクリスタとサシャに話しかけられる。
「ねぇ、レイラはアルミンと昔からの友達だったりする?」
「あれ、何でわかったの?」
「何となくですよ。よく話してたりするの見てますし!」
そんなに自分はアルミンとばかり話していたのかと驚きつつ、レイラはにこりと微笑みながら口を開く。
「ううん、友達じゃないよ。アルミンは恋人、私の大好きな人なんだ」
言葉と同時に彼女の首にかかっている小綺麗なネックレスがキラリと光った。