掴んだ手は幾つあった?滑り落ちた手は幾つあった?
泣き叫びながら自分の名を呼び、それでも助けられなかった手は一体幾つあった。
一人また一人と死んでいく。何度となく死を経験した所で慣れてくれやしない。
ずっと行動を共にしてきた仲間も慕っていた上司も果ては何の関係もない街の住民でさえもみんなみんな死んでいく。
この地に突如として現れた“捕食者”巨人によって。
巨人は我々人類を食べる。
文字通り頭からムシャムシャと。並びのいい歯で骨を噛み砕き、満足するまで次から次へと獲物を探して、また同じように食っていく。そうして私の仲間は何人も何人も奴らの腹の中へと吸い込まれていった。
耐えられなかった。必要な犠牲だと何度上から諭されようと、私には耐えられなかったのだ。
だから私は決めた。
守るために、奴らを壊すと。
忌々しい巨人共から大切な仲間を守るために奴らの全てを全てを壊すと決めたんだ。