![]() Just as you are. * Good night! こうして彼女と過ごす一日は、本当に早いとシリウスは男子寮と女子寮の間にある窓から見える夜空を見た。 隣で涙目の彼女は、欠伸をかみ殺したのだろうか、心無しか動きがゆっくりとしてきた気がする。 そんな事を考えてるうちに、ポーンと鳴った時計の音に、タイムアウト、とシリウスがぽつりと呟いて雪菜の手の甲に唇を落とした。 「キザシリウスだ」 「うっせ、キザっていうな、愛って言え」 「やだ、くさーい」 くすくすと笑いながらも、まんざらではなさそうな雪菜の口振りに、シリウスはその手を離して両手をそっと広げた。 一日の終わり、最後に交わすおやすみのハグの時間だ。 「俺はさ」 「?」 「寝起きまんまの格好で談話室に降りて、目が全然開いてなかったり、」 「え?」 「授業中に、女友達と恋話に花を咲かせたり、たまに教授に怒られたり、」 「、うん」 「昼ご飯は好きなもんを好きなだけ美味しそうに食べて、後で腹痛いって唸ってたり、」 「……ダイエットしろってこと?」 「司書見習いだかなんだかしらねー奴と仲良くしてるのは好きじゃないけど、大目に見るとして」 コホン、とわざとらしく咳を漏らしてから、シリウスは目をぱちぱちとさせている雪菜の顔を覗きこんで、満足気に笑った。 「そんなありのままの、自然体の雪菜が好きだなーって、今日思った」 「……褒めてる?」 「すっげー褒めてる」 うんうん、と頷きながら一人納得しながら告げたシリウスに、雪菜は少し苦笑を浮かべた後に、”ありがとう”とそれでも嬉しそうに微笑んだ。 香水なんていらないし、セックスアピールもいらない、小食なんてもっての他。 ただ、自分の前で飾らずに自然体で居るこの彼女が何よりも愛おしくて、綺麗だとシリウスは思う。 腕の中に飛び込んできたその存在を大切に抱きしめて、シリウスは雪菜の耳元でおやすみの言葉を囁いた。 Good night sweetie, sleep tight. **** ひろ様より100000hit企画リクエストに頂きました。 シリウスがヒロインに溺愛のお話!とのことでしたが……少し、視点をかえてみました。 いや、そんな変わってないんですけどね、別名雪菜嬢の観察日記みたいなもんです(笑) ごくごく平凡〜な雪菜嬢と、彼氏のシリウス。 個人的にシリウスは人を見た目で判断しないってうイメージから、いろいろ考えてたらこうなりました、それにしてもシリウス毎日アピール連続で大変じゃないか……! どんなに着飾っても、ありきたりなチープな言葉になりますが、魂の綺麗な人には敵わないといいますか。 何がしたかったんだと言われるともごもごです、ただ付き合ってる二人の一日をほのぼの書けたらなと思いながら書かせて頂きました! ひろ様、リクエストありがとうございました! >>back |