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(2)バンブルビー



ビシッと敬礼をして、上官が去って行く姿が見えなくなるまでその場で同じ姿勢を保つ雪菜を遠目で見ながら、サイドスワイプは隣に座るバンブルビーに声をかけた。

「あの人間、」
「まさか雪菜に興味でもあるの?」

俊敏な動きで顔をずいっとサイドスワイプに向ければ、彼はまさか、と首を振ってみせた。

「女っ気無さすぎだろ。笑わねぇし、いっつも怖そうだし」

そう興味なさ気に呟いたサイドスワイプに、バンブルビーはスパークを少しだけ笑いに震せた。

**

「雪菜、お疲れ様。疲れた?」
「今日は少しね」

所変わって、雪菜の私室。そこに現れた愛しい恋人の姿に、雪菜は本日初めての笑みをふにゃりと浮かべた。

「おいらが充電してあげる」

開かれたバンブルビーの腕に、雪菜が素直に飛び込んでくる。そんな可愛らしい彼女の行動に、彼は昼間の友人とのやり取りを緩く再生させてクスリと笑った。

「おいらだけの、」
「うん?」

そう言いながら雪菜の頬に擦り寄ったバンブルビーは、頑張り屋の彼女の耳に唇を寄せて、秘密事のように囁いた。

「おいらだけの、雪菜のひみつなんだ」

***
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