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(7)メガトロン



オルガンの鳴り響く部屋に一歩足を踏み入れ、雪菜はそっとベール越しに頭を上げた。まさか自分にこんな日がやってくるとは、夢にも思わなかった。否、幾度となく確かに夢は見たが、その相手は勿論自分と同種族、人間だった。

「…悪くない」

コツン、コツンと足を前に進めれば、自然と頭が上がるのは、相手が同種族ではないせい。やがてカツン、とヒールの音とはまた違った音が教会内に響き、雪菜は口元に笑みを浮かべて、差し出された「手」に歩みを進めた。

「夢、みたい」

引き上げられながら雪菜が呟けば、永遠を誓った相手からくつりと一度だけ笑みの漏れる音が聞こえてくる。

「夢で終わらせるのか?」

そう問いかけてくる彼の金属的な表情に首を振り、ブーケを持ちながら彼の顔の側に近寄った。

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