不意に空を赤黒い雲が覆い尽くしていく。あっという間に青空を隠したそれから不気味な丸い顔を貼り付けた戦艦が現れた。
覚えがあるらしい、カービィは爪先立ちで戦艦を見詰めた。
「…ぽよ?」
ふわふわと紫色の雪が戦艦から舞い落ちる。フィールドを埋め尽くしたそれは徐々に形を成しヒトガタになる。…人形、のようだ。俺たちを見るやいなやおぼつかない足取りでこちらへ歩み寄ってくる。
「…カービィ!」
明らかに普通ではない。
カービィに声をかければまだ戦艦を見ていたらしい、まるい体を震わせ周りを見て飛び上がった。
「わっ」
そこへフロルの風でゼルダ姫が、パラソルでふわふわとピーチが降りてきた。
「なんなのでしょう、あれは…」
「みんなよたよたしてるわね。大丈夫かしら」
アレの心配をしてる場合じゃないぞピーチ…
「とりあえず…殲滅だ!」
「おー!」
短い手を振り上げカービィが人形に向かって飛び込んだ。


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