「私は 石人形なのだろうか。」
YOUの前を歩いていたレディパールがふと足を止めました。
不思議そうな顔をしているYOUを見やり、彼女は続けます。
「こんなことになる前に、もっと私に出来ることがあったのではないか。」
彼女は目を伏せました。
「…この惨劇は 私が原因だ。」
「……。」
YOUは何も云いません。
「罪のない多くの珠魅が殺されてしまった。…いや、罪は あったな…泣くことを忘れてしまった。…私も同罪だ。」
「そうかも知れない。」
ここではじめて答えが返ってきたことに彼女は少し驚きました。しかし表情はあまり変わりませんでした。
「でも俺は あなたが石人形だとは思わない。」
「YOU、」
「あなただけじゃない。珠魅は石人形じゃない。ただ、少し忘れてしまっただけで。」
「……。」
「忘れたなら思い出せばいい。…それだけ。」
「…そう、か。…思い出せるだろうか…私たちに…」
「……。」
普段は無表情な彼ですが、この時は少しだけ微笑みました。
「うん。きっと大丈夫だよ。」




煌めきの都市突入直前
10.9.2
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