「う…ぇっ」
「どうした」
「っ、お兄ちゃん…誰?」
「…どうした」
「…」
「俺は敵じゃない」
「…ぐすっ」
「どうした。何故泣いている」
「う、うまく創れないの…ひっく…これじゃ、みんな生きられないっ…」
「…」
「ぼくが…「せかい」を創らないといけないのに…」
「…大丈夫だ」
「…どうし、て?」
「お前が創り損ねたものは俺が壊す。だからお前はお前が思うように「せかい」を創ればいい」
「ぼくの、思うように…でも…どうしてお兄ちゃんが、壊してくれるの?お兄ちゃんは創らないの?」
「俺には俺の、お前にはお前の出来ることがある。俺とお前は二人で一人。どちらかが欠けると成り立たない」
「二人で…一人。ぼくの出来ること…創ること。…お兄ちゃんは?」
「俺は、壊すこと。さあ、「お前」が創るんだ」
「うん…、…んーん、違う」
「?」
「「二人」で、創るんだよ」
「!…」
「ね」
「…ああ。「二人」でこのせかいを」
「うん!」
09.12.4
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