サムス視点


「何を見てるの?」

「あぁ、ゼルダのアルバムだ」

アイクが渡して来たのは自分が見ていたのとは別の、同じ表紙のアルバムだった。

「これは?」

「最新号」

表紙を開くと、数枚の写真とそれに対してのちょっとしたコメントが書かれている。

改めて表紙を確認してみると、20という数字が書かれていた。

「20…?」

「20冊目。」

「……」

中の写真は殆んどリンクズばかりだ。

「ゼルダもよくやるわね…」

ペラペラと目を通す。意外なことにリンクズ以外のスマメンも写っていた。

「へえ意外ね」

そこで私の目はある一枚の写真に止まった。

「これは…」

写っているのは、自分だ。

穏やかに笑っていた。

「……」

今まで自分の笑った顔なんて見たことがなかったことに気付く。

「良い顔だな」

横から覗き込んだアイクが云った。

「私はこんな顔で笑うのね」

するとアイクは不思議そうな顔をした。

「見たことがないのか?」

「ええ」

「…確かに、最初に会った時は顔が少し怖かった」

「悪いとは思ってるんだけど」

「こんな顔が出来るってことは、ここの奴らを信頼してるんだな」

「ある意味信頼出来ないのもいるけど…そうね。でも、」

「なんだ?」

「平和ボケって云うのかしら、勘が鈍りそうで怖いわ」

そう云うと、今度はアイクが少し笑った。

「全員でサバイバルでもやるか」

「…そういうことは云わない方がいいわ、マスターならやりかねない」

そうだな、とアイクは短く答えてアルバムを置いて席を立つ。

「ここのカメラマンはいい腕だな」

「…ええ、そうね」




アイサムじみた!
10.6.19
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