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腰にタックルされ、姉ちゃんが好き勝手何か言い始める。可愛いペンギングッズがある店を見つけたらしい。つか、男の里玖さんのプレゼントを買うのに可愛い店見つけてどうする。俺は好きだけど、里玖さんはそんなものもらっても、それこそ宝の持ち腐れだろうが。
そして姉ちゃんは頼子の存在に気付き、首を傾げてどちらともなく尋ねる。彼女、と言おうとするとそれよりはやく、頼子が「ともだちだ」と笑った。
ばいばい、真中君。
そう言って走り去る頼子の背中を呆然と見つめ、はっと我に返って腰にへばりついてる姉ちゃんを引っぺがして慌てて追いかけた。
「あーちゃん! どこ行くんさー!」
ちくしょう待ちやがれクソひよこ!
ようやく追いついた(トロいひよこのくせに意外と足が速かった)頼子の肩は小刻みに震えていて、泣いてやがった。なんでなんだ、俺、何かしたか。してないだろうが。
ぶつぶつ独り言を言いながらしゃくり上げるのを見かねて声をかけると、面白いほどに肩が跳ね上がった。
なんなんだよ、とつぶやくと、なぜか逆ギレされた。そのまま、あゆむにとってわたしって何だとか意味の分からない質問を一方的に投げかけてくる。
答えようにも意味が分からないのでそう言ったら、もういいと自己完結を始めた。と、ここでひとつの疑問が生まれた。わたしはあゆむの、何かって?
「……お前、俺の彼女じゃねーの?」
コイツは何かを誤解している。
そう思った俺は、確認のため、そうあくまで確認のために聞いたのに、ひよこときたら固まりやがった。
意味が分からない。といった間抜け面で俺を見つめるひよこ。意味不明なのはこっちだ、ボケひよこ。
あとからあとから頬を伝う涙を見ていたら、だんだん腹が立ってきた。
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