美術館

「あ、この絵は知ってます」
「記憶の固執。ダリの作品だね」
「ダリって、あの口髭がすごい人ですよね」
「うん。フランスパンを頭に括りつけたとか、自分の事を預言者だ!って言ったり」
「それはかなり個性的」
「画家って紙一重のところがあるからね」
「(あぁ…言われてみれば、花京院さんのさくらんぼの食べ方もすごく個性的だもんね)」
「何か言った?」
「イエナニモ(え、もしかして言葉に出てた?)」
「なまえちゃんの顔見てれば何考えてるかなんてお見通しだよ」
「読心術ですか、さすが花京院さん」
「さて、さっきの発言に対する追求は後回しにするとして」
「(追求されるのは決定事項なんですね)」
「あそこのテラスでちょっと休憩しよう。見慣れないもの見て疲れたでしょ?」
「…実はちょっとだけ疲れました」
「正直でよろしい。じゃあ、甘いものでも食べようか」
「甘いもの!花京院さん、私パフェが食べたいです!」
「はいはい」
「もしさくらんぼ付いてきたら花京院さんに譲りますね」
「気持ちだけありがたく受け取っておくよ」








(2011.8.30)
絵画を見ろ、絵画を。
ちなみに記憶の固執がある所はニューヨーク近代美術館。パラレルって素敵!





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