05.頭が良くなる勉強方

「あ、仗助君。その計算式は違います」
「え、マジで?」

仗助君が職場にわざわざやって来て、
「勉強教えてくださいお願いします」
って泣きついてきたのが2時間前。
このままいくと次の試験がたいそう悲惨な結果になるらしい。
承太郎さんにみてもらえばいいじゃない、と提案してみたところ、
承太郎さんは承太郎さんでレポート纏めるのに忙しくそれどころじゃない、
と一蹴されてしまったらしい。
「もう頼れるのなまえしかいねぇんだよ〜」と涙目で言われたら、断れる訳がない。
べ、別にホリィさんのご飯に釣られた訳じゃない、決して!

「ここの計算式は、まずXに3を代入して…」
「ふんふん、それで?」

小さな机に向かい合って勉強を教えてる為、
説明を聞き逃すまいと仗助君が身を乗り出して私の手元のノートを凝視する。
一生懸命勉強に励んでくれるのは嬉しいんだけど、
彼のご自慢のリーゼントがぶつかりそう。
でも、問題に対する糸口が見つかった仗助君を邪魔するのもあれだから黙っている。
何か閃いたらしい仗助君自分のノートにガリガリと書き付けている
…こうして見ると、仗助君って睫毛長いなぁ。
そういえば、承太郎さんもジョセフさんもみんな長いし、
ジョースター家はみんな睫毛長い家系なんだなぁ。
いいなぁ、マスカラとかする必要ないんだ。

「…何か、俺の顔に付いてるっスか?」

なんて事を考えてたら、問題を解き終わったらしい仗助君に言われた。
いかん、思考が彼方に飛んでいた。

「ううん、仗助君の睫毛長くて綺麗だなぁと思って」
「あぁ〜?そんな事言ったらなまえだって十分綺麗じゃねーか」
「そんな事ないよ。仗助君に比べたら全然長くないし…」
「睫毛の話じゃねーよ」

はて?睫毛の話じゃないとなると…

「歯並び?」
「…はぁ」
「呆れられた!」
「も〜いいから次の問題さっさと出してくれよ」

このままだと俺、赤点確実なんだからよぉ。と仗助君が嘆く。
そうだ、勉強教えにきてるんだった。
よし、仗助君の明るい未来の為にも、

「みょうじ なまえ、勉強の鬼になります!」
「……はぁ」

仗助君が盛大にため息をついた気がするけど、まぁ気のせいだと言う事にする。




(でも、仗助君が赤点取ったなんて今まで聞いた事なかった)
(…ま、まぁなんだかんだで通っちゃうのが俺なんだよねぇ!)
(さすが仗助君!そこに痺れる憧れる!)







(2011.8.16)
最後の一文言わせたかっただけなんちゃうかと。
仗助君はやれば出来る子だと思います。ただ勉強見てもらいたかった口実。
主人公ちゃんは鈍感ちゃん、だといいなぁ(願望)




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